「あの七瀬さん。」
私が階段を降りようとしているとき、後ろから
そう他の科の看護師3人に声をかけられた。
何を言われるのか怖かった。
いつも陰口を言ってる人たちだったから。
「何ですか?」
「陽向先生と別れてくれない?」
この言葉を聞いた瞬間頭が真っ白になった。
そんなことは知らずに看護師たちはまだ話を続ける。
「陽向先生に七瀬さんは勿体なすぎるの。
歳も離れているし、あんな完璧な先生の隣が
七瀬さんってそんなの釣り合うわけない。
だから陽向先生のためだと思って早く別れて。」
「私は別れたくないです。」
「何回言えばわかるの。
陽向先生に貴方は釣り合わない。」
そう言って1人の看護師に私は
思い切り突き飛ばされた。
体を階段下の地面に打ちつけたところで私の
記憶は途切れた。

