これから話すことを聞いて、
私を雇った事を後悔してしまうかも
しれない。
好きなんて伝えた事をなしに
されてしまうかもしれない。
少し呼吸が苦しくなり、涙を堪えて
飲み込む。
『茅葵‥‥大丈夫だよ。
俺はこの手を離さないから。』
絡められた指をギュッと握られ、
背中をさする手に、強張っていた
体の力が少しずつ緩んでいく
「両親は姉が言う事は全て信用して
いたし、成績優秀で美人な姉を
誇りに思っていたのはいいんです。
本当のことでしたから我慢でき
たんです。中学最後の美術展の
コンクールに出す絵を姉の名前で
出されるまでは‥‥」
もう10年近く昔の事なのに、
あの時表彰台に上がる姉の姿を
見つめる惨めな自分にまた涙が流れる
『まさか盗作ってこと?』
山岡さんの少し低めの声に、
震えながらも小さく頷く
「両親にも私が描いたと言いましたが、
信用してもらえずでしたし、
挙げ句の果てに好きになる人はみんな
姉に奪われました。
だから自立したかったんです。
あの家からも、あの家族からも。
姉に勝てる事はないでしょうし、
それはもういいんです‥‥。
山岡さんと出会ったコンクールで、
自分の力でデザインした作品を
見てもらえる機会が私にとって
すごく大切だったので、結果は
ダメでしたが、山岡さんが唯一
私の作品を見てくれました。
本当に嬉しかったんです‥‥」
誰にも見てもらえないままの
デザイン画を見てもらえて、
惹かれたって言ってくれた時から、
山岡さんに惹かれていた
でも、もし万が一私がここに勤めて
山岡さんとのことを姉が知ったら、
せっかく出来た居場所を失うかも
しれないって思ったのだ。
『このままでいいから聞いて?。
俺が茅葵の作品に惹かれたのは
本当なんだ。でも今の話を聞いて、
再確認したよ。
俺の目に狂いはなかったってね。』
山岡さん‥‥
私の涙を両手で拭うと、私の顔を
真っ直ぐ見て優しく笑った。
『細川 茅葵さん。
ここでそのデザインを活かして
みないか?』
「ッ‥‥‥はい、お願いします。」
『フッ‥‥。もう自分を偽って
生きなくてもいい。
俺と出会ってくれてありがとう‥
これからもここに居て欲しい。』
泣きながら笑う私を見て、
嬉しそうに笑った山岡さんが
そのまま優しくキスをしてくれ、
また温かい腕の中に包まれた。
私を雇った事を後悔してしまうかも
しれない。
好きなんて伝えた事をなしに
されてしまうかもしれない。
少し呼吸が苦しくなり、涙を堪えて
飲み込む。
『茅葵‥‥大丈夫だよ。
俺はこの手を離さないから。』
絡められた指をギュッと握られ、
背中をさする手に、強張っていた
体の力が少しずつ緩んでいく
「両親は姉が言う事は全て信用して
いたし、成績優秀で美人な姉を
誇りに思っていたのはいいんです。
本当のことでしたから我慢でき
たんです。中学最後の美術展の
コンクールに出す絵を姉の名前で
出されるまでは‥‥」
もう10年近く昔の事なのに、
あの時表彰台に上がる姉の姿を
見つめる惨めな自分にまた涙が流れる
『まさか盗作ってこと?』
山岡さんの少し低めの声に、
震えながらも小さく頷く
「両親にも私が描いたと言いましたが、
信用してもらえずでしたし、
挙げ句の果てに好きになる人はみんな
姉に奪われました。
だから自立したかったんです。
あの家からも、あの家族からも。
姉に勝てる事はないでしょうし、
それはもういいんです‥‥。
山岡さんと出会ったコンクールで、
自分の力でデザインした作品を
見てもらえる機会が私にとって
すごく大切だったので、結果は
ダメでしたが、山岡さんが唯一
私の作品を見てくれました。
本当に嬉しかったんです‥‥」
誰にも見てもらえないままの
デザイン画を見てもらえて、
惹かれたって言ってくれた時から、
山岡さんに惹かれていた
でも、もし万が一私がここに勤めて
山岡さんとのことを姉が知ったら、
せっかく出来た居場所を失うかも
しれないって思ったのだ。
『このままでいいから聞いて?。
俺が茅葵の作品に惹かれたのは
本当なんだ。でも今の話を聞いて、
再確認したよ。
俺の目に狂いはなかったってね。』
山岡さん‥‥
私の涙を両手で拭うと、私の顔を
真っ直ぐ見て優しく笑った。
『細川 茅葵さん。
ここでそのデザインを活かして
みないか?』
「ッ‥‥‥はい、お願いします。」
『フッ‥‥。もう自分を偽って
生きなくてもいい。
俺と出会ってくれてありがとう‥
これからもここに居て欲しい。』
泣きながら笑う私を見て、
嬉しそうに笑った山岡さんが
そのまま優しくキスをしてくれ、
また温かい腕の中に包まれた。



