隣人はだらしない‥‥でも

片肘をついたまま私を見て笑う山岡さん
に思わずドキッとしつつも、何が
どうなって今この状態が起こっている
のか分からず、とりあえず山岡さんの
胸に擦り寄っていた体を思いっきり
離した


『おはよう‥‥茅葵。よく眠れた?』


「ええっ!?あっ!!は、はいっ!!」


ふ、服は着てる‥から大丈夫って‥‥
これ‥誰の服!?


短パンにTシャツを着ているものの、
明らかに私の服ではなくサイズも
かなり大きい


『あの後寝ちゃったし、起こしても
 起きないからウチに連れて来た。
 大丈夫、パッと脱がしてサッと
 着せたから。着てたものは乾燥して
 そこの紙袋に入ってるから。』


パッとかサッとかイヤ!!
そういうことじゃなくて!!

下の階に住んでるし、鍵なんて開けて
ベッドに放り投げてくれていいのに!


下着はつけてるものの
裸を見られたこともショックだけど、
あのままスヤスヤと眠ってしまった
自分が情けない‥‥


「す、すみません‥‥お邪魔してっ!
 帰りますね。お休みの日にご迷惑を
 おかけしました!」



寝起きでまだ動かない身体を強引に
動かそうとするものの、山岡さんに
それをいとも簡単に阻止されベッドに
舞い戻ると、仰向けに寝かされた私を
見下ろすかのように組み敷かれ
身動きが取れなくなってしまった



「山岡さん、あのっ‥‥私帰り」


『昨日のことをなかったことになんて
 させない。』


ドクン



いつもはオフは遊び人全開な癖に、
真剣な顔は撮影の時に見せたような
表情でドキッとしてしまうと同時に、
上半身裸の山岡さんに今更ながら
気付き顔を横に背けた


『こっち見て‥‥』


「無理です‥」


『見ないとまたキスするよ?』


「ッ!!」


心音がドクンドクンと突き破りそうな
程大きく脈を打ち、喉だってカラカラだ


ゆっくりと近づいてくる気配に、
早く上を向かないといけないのに‥‥


『ねぇ‥‥もしかしてさ‥されるのを
 待ってる?』


えっ?


山岡さんの言葉に、それを望んでいる
自分が恥ずかしくなり一気に体温が
上昇してしまう


昨日のとろけるようなキスがとても
気持ちよかったって知ってる‥‥


今までされた時とは違って、
山岡さんの気持ちを聞いたからか
分からないけど、感じ方が全然
違ってしまったのだ


「ッ‥‥違‥‥‥」


本当に私‥どうしちゃったんだろ‥
山岡さんのことなんて、意地悪してくる
面倒臭い人っていう認識だったのに、
昨日の何がどうなってこんな気持ちが
湧き出てくるのか分からない‥‥