『茅葵、今日午後からの打ち合わせの
時間って何時だったか分かる?』
「打ち合わせは‥‥‥えっと‥‥
14時30分からです。」
オシャレなBGMが流れる事務所内で、
各自依頼されているデザインの作成や、
2階の資料室で本を読む中、眼鏡を
かけてパソコンに向かいデザインを
進める山岡さんにスケジュール帳を
開いてそう伝えた
今回手掛けているのは大きめの仕事で、
有名ジュエリーブランドの新商品となる
デザインなのだ。
『撮影混みだから、悪いけど荷物
多いから一緒に来れそう?
萩は現地集合になってるから。』
「わかりました。
持っていくものがあれば教えて
ください。」
やった‥‥
撮影に行けるなんて、またとない
勉強のチャンスだ‥‥
山岡さんがどういったデザインを
するのかも気になるけど、アシスタント
として学ばせて貰えることは
なかなかない機会だから大切にしたい
『嬉しそうだね‥‥今日は茅葵に
とってもいい経験になるはずだから
頼むな。』
「はい‥ありがとうございます。」
オフもこうだったらいいのに‥‥
どうして仕事が終わると、あの
だらしないモードに変換されて
しまうのだろうか‥‥
今日はお茶の時間に打ち合わせに
出てしまうから、みんなの分だけでも
準備してから出かけよう‥‥
『細川さん‥
困ったことはありませんか?』
2階のスペースで、お茶の準備を
していると、そこに今日もピンクの
フリフリロリータのお洋服を着こなした
ユイさんが現れた。
ユイさんって一体何歳なんだろう‥‥。
こういう自分の世界を素敵に生きられ
てる人に年齢はなんとなく聞いては
行けない気がするから想像の世界で
接しているけどやっぱり謎だ‥‥
「困ったことですか?‥特には‥‥
どうしてですか?」
『私が今まで山岡さんのお世話を
していたから、やっと手が離れて
清々しい日々を送れてるの。
大変だと思うけど応援してます。』
ええっ!?
ユイさんが山岡さんのお世話!?
あんなことやこんなことをオフで
してくるあの山岡さんとどう向き合って
来たのかものすごく知りたい!!
「あ、あの!!オフの時って、
どうやり過ごせばいいでしょうか?」
お茶の用意なんて今はどうでもいい。
ユイさんの手を握りしめると、
縋るような気持ちで見つめた。



