神に選ばれなかった者達 後編

…絵里衣ちゃんを見る度に、何度思ったことだろう。

萌音も、こんな風になれたら、って。

萌音もこんな風に…下の子達に優しくて…明るくて…両親の期待に応えられる人間だったなら。

きっと今頃…萌音は…。

…。

…でも、今となってはどうすることも出来なかった。

萌音には無理だったのだ。どんなにああなりたい、こうなりたいと望んでも。

どうやったって出来なかったのだから、そんな自分を認めるしかなかった。

どんなに悔しくても、口惜しくても。

結局自分は、自分以外の何者にもなれないということなのだろう。

…今でこそ、そんな風に考えられるようになったけど。

昔はそんな風に思えなくて、随分と辛い思いをしたものだ。

萌音が変わることが出来たのは、萌音が今の萌音になれたのは。

全て、夢の中で李優と出会ったお陰。

李優が、今の萌音という人間を創り出してくれた。

自分という存在に、価値を見出すことが出来るようになったのだ。

…李優には、感謝してもしきれない。

そしてまた、萌音と李優は夢の中に向かう。

夢の中で出会い、共に戦う。

それだけで萌音は、まるで無限の力を得られたかのような気がするのだ。