神に選ばれなかった者達 後編

しかし、李優は。

「知るかよ。俺は別に、お前を楽しませる為に手紙を読む訳じゃない」

「うるせー!良いから開けてみろ!」

逆ギレ。

「良いか?自分は普通に生きてても、一生誰にもラブレターなんてもらえないの!分かる?そりゃあ李優君は自分と違ってイケメンだからな。ラブレターをもらう機会くらい、毎日のようにあるさ!」

「…毎日はねーよ」

だよね。

「自分がもらえないならせめて、他人がもらったラブレターでも良いから読んでみたい。青春の甘酸っぱい恋の1ページをこの目で見てみたい。そう思うのは間違いなのか。あぁ!?」

「間違いに決まってるじゃないですか」

「自分がもらえないからって他人宛てのラブレターを読んでも、余計虚しくなりません?」

「ぐはぁっ!正論がいてぇ。唱君と後輩君の正論が超いてぇ!」

…打ちひしがれてる。可哀想。

何故だか分からないけど、まほろ君はラブレターが欲しいらしい。

成程。

「だったらまほろ君、萌音がラブレター書いてあげるよ。まほろ君好きー、って書けば良いんでしょ?」

「ありがとう、萌音ちゃん…。でも違うんだわ。そういうことじゃないんだよ…」

「そっかー」

萌音じゃ力になれないか。ごめんね。

頑張れたら良かったんだけどな。

「…はぁ、アホらし」

と言いながら、李優はぺりぺり、と封筒を開けた。

「ただの連絡事項だったらどうするんだよ、まったく…。騒ぎ過ぎなんだよ」

封筒の中には、封筒と同じ色の、薄いピンク色の便箋が入っていた。

その便箋を、李優はじーっと眺めていた。

「…で?どうだった?中身、何?」

「やっぱり果たし状でしたか?」

「…あー…。…うん…まぁ…」

何?その反応。

李優、黙ってしまってる。

…どうしちゃったんだろう。

もしかして、ものすごーく強い人からの果たし状?

それは大変だ。

「非常に…あの…非常に言いにくいんだけどな…」

「…大丈夫だよ、李優」

「は?」

萌音は、李優の手をぎゅっと握った。

心配しなくても良い。

夢の中でも、現実でも一緒だよ。

「萌音が一緒に戦うから。大丈夫、相手の武器が拳銃だろうと鉄パイプだろうと手榴弾だろうと、萌音が李優と一緒に戦っ、」

「違う、萌音。待て、そうじゃない」

えっ?

「萌音ちゃん、ぽやんとしてるように見えて意外と武闘派だな」

「鉄パイプはともかく、拳銃と手榴弾は現代社会で入手するのは困難なのでは…?」

まほろ君と、唱君がそう言った。

そうなの?

手榴弾、みらくちゃんが持ってたよ?

「あのな、まずこれ…その…果たし状ではない」

「違うの?じゃあ何?」

「それは…その…。…えーっと…」

何で口ごもるんだろ?

「ちょっと見せてみろ」

「あ!こら」

渋る李優の手から、まほろ君がお手紙をしゅばっ、と奪い取った。