神に選ばれなかった者達 後編

…窯に入った死体が、完全に焼けて骨になる頃。

やがて、朝が来たらしく。

「…ん…」

気がつくと、萌音はおうちの、お布団の上で横になっていた。

…朝になっちゃった。

結局、倒したバケモノは最初の三体だけだったな…。

見たところ、あの空間にはまだまだ、たくさんのバケモノ忍者一味がいるみたいだったし。

今回は長丁場になりそうだね。

…今回も、だけど。

すると。

部屋の中に置いてある目覚まし時計が、けたたましい音で鳴り響いた。

あ、びっくりした…。

「んん〜…もう、うるさ…」

「早く止めてよー…」

「むにゃむにゃ…」

「…」

部屋の中にいる他の女の子達の反応は、三者三様。

目覚まし時計の音に苛つく子、他力本願で止めてくれるのを待つ子。

けたたましい目覚まし時計の音もものともせず、まだまだ眠り続けるつわものみたいな子。

それに、萌音みたいに、目覚まし時計が鳴る前に体内時計で目を覚ましている子…。

この部屋の中には、なんと6人もの女の子がいる。

当然、大きなベッドを置く場所もないので。

女の子達は、床の上に6枚の敷き布団を敷いて、その上に寝ている。

けたたましい目覚まし時計は、6人の女の子達を一度に起こす為だ。

…そのせいで、毎朝起きる時、皆「びくっ」ってなっちゃってるから、余計寝起きが悪いんじゃないかと思うけど。

しかも、この目覚まし時計は、女の子部屋だけじゃない。

女の子部屋の向かいにある、男の子部屋でも、同様の目覚まし時計が鳴らされている。

男の子部屋には、女の子より少なく、5人の男の子達が生活している。

とはいえ、そのうちの一人はまだ赤ん坊で、その子は下の階で寝てるパパとママと一緒に寝てるから。

男の子部屋で毎日寝ているのは、実質4人だけだ。

…って、それだけでも充分多いけどね。

つまりこの家には、女の子6人、男の子5人、そしてパパとママを入れて。

総勢13人が住む、近年では珍しい大家族なのである。

わー、ぱちぱち。凄いねー。

11人も子供を作るなんて、余程子供が好きな両親なんだ…って、思うかもしれないけど。

実際、パパもママも子供が好きだ。

自分でそう言っていたし、そうでもなきゃ11人もの子供の面倒は見られないだろう。
 
けれど、子供を「作った」と言うのは間違いだ。

この家には13人もの家族がいるけれど、誰一人として、血の繋がった家族はいない。

子供達も、生物学上は全員他人。

子供達には、本物の親が別の場所にいる。

パパとママは、身寄りのない、実の親と一緒に暮らせない理由がある子供を、代わりに引き取って育てているだけなのだ。