神に選ばれなかった者達 後編

さて、こうなったら形勢逆転だ。

それから萌音は、隣で意識を失っていたもう一人のバケモノ忍者のこめかみに、拳銃を当て。

それをヒュッと引いて、脳漿撒き散らして絶命。

よーし。これで二人目。

あとは…と。

「…生きてるのかな?これ…」

ストレッチャーに乗せられてきた、三人目。

さっきから、ずーっと動いてないよね。

声も出してないみたいだし。…大丈夫かな?

まぁ、バケモノの安否を心配してあげる義理はないんだけど。

ストレッチャーの上には、顔の上に黒い布をかけられた人物が横たわっていた。

背格好からして、子供だ。女の子。

多分、小学校一年生とか、二年生とか…そのくらいの年代の女の子。

勿論、萌音は子供でも容赦するつもりはない。

サイズの違いなんて関係ないよ。だってバケモノはバケモノだもん。

放っといたら、この子供が、今度は萌音や、萌音の仲間を殺すかもしれない。

情けをかけて、痛い目に遭うのは自分なのだ。

なら、そうなる前に殺しておいた方が良いよね。

念の為に、萌音は顔の上を覆っていた黒い布を取り去った。

その下には、生まれたままの姿になった子供が眠っていた。

まだあどけない表情。

胸はまったく上下していなくて、血の気がない。

萌音はそーっと、人差し指で、子供の皮膚に身体を触ってみた。

氷みたいに冷たい。

…やっぱり死んでるみたいだ。

このバケモノ忍者達、この死体を片付ける為に運んできたんだろうか?

まぁ、何でも良いや。

こいつも殺しちゃえば、それで良し。

萌音は、ストレッチャーに乗せられた子供の死体に、拳銃を向け。

ヒュッ、と一発。

その子供からは、返り血は飛んでこなかった。

代わりに、亀裂の入った肉の割れ目から、じわじわとどす黒い液体が滲み出ていた。

しかも、結構な異臭がする。

…何だろうこれ。腐ってる匂いでもなければ、血の匂いでもない。

これが死体の匂いってものなんだろうか。知らないけど。

ま、もうこれでここにいるのは、全部死体だ。

あとはほっとけば良いや。

身の安全を確保した上に、超強力な武器まで手に入れた。

この拳銃、結構えげつないけど、威力だけは大したものだ。

敵の武器を手に入れるなんて、滅多にない幸運である。

あ、そうだ。もう一匹のバケモノ忍者の方も、同じ拳銃を持ってないかな?

萌音は、死体の服の内側ごそごそ漁って、拳銃を探してみた。

ぐちゃぐちゃの血や体液その他がべったりと手についたけど、特に気にしない。

拳銃じゃなくても良いから…武器になりそうなもの…武器になりそうなもの…。

…うぅ。さっき撃たれた左腕が痛いな。

強力な武器を入手した代償は大きい、といったところだろうか。

なかなか、思うように全部上手く行かないものだね。

現実も、夢の中も。