もし黒衣人間達が、私達と同じ言葉を喋るのなら。
響也くんのその台詞で、私が手術室の中に隠れていることに気づいただろう。
でも黒衣人間達は、響也くんが何を言ったのか分からなかったらしい。
私達が黒衣人間の話す言葉を理解出来ないように、黒衣人間の方も私達の言葉が分からないらしい。
きっと響也くんは、そのことを早々に察していたのだろう。
だから今際の際に、私に「出てくるな」と言ったのだ。
…何でそんなことが言えるの?
ねぇ。何でそんなことが言えるのよ?
助けて、って言えば良いじゃない。
そう言えたはずじゃない。何でこんな時まで…自分のことより、私のことを気遣えるの?
そしてそのまま、響也くんは「手術」されてしまった。
きっと酷く痛かったはずだ。辛かったはずだ。
血がいっぱい出ていた。肉を切り裂く音がした。
まるで命のない実験動物みたいに、響也くんの身体がめちゃくちゃにされていた…。
…その時、私が何をしていたかって?
…いつも通りだ。
私はいつも通り、何もしなかった。
ただ震えて、怯えながら、簡易クローゼットの中に隠れていた。
もし響也くんに「助けてくれ」と言われても、私は一歩も動けなかったに違いない。
一生懸命、自分に言い訳をしていた。
響也くんが戦っても無理だったのに、私が戦えるはずがない。
下手に出ていって二人共死んでしまったら、意味がない。
響也くんが「出てくるな」って言ったから。だから私はここに隠れているべき。
大丈夫、一度死んだってまた生き返るから。
生き返って、また響也くんが私のもとに戻ってきてくれる…。
…でも、そうはならなかった。
響也くんはそれ以降、私のもとに戻ってきてはくれなかった。
「死に戻り」はした。確かに。
でも、それは手術台の上で、の話だ。
響也くんは手術台の上で死んで、手術台の上で生き返って、また手術台の上で死んで、生き返って…を、繰り返していた。
どうしてそうなったのかは分からない。
分からないけど、一つ確かなことがある。
私が彼を助けなかったばかりに、彼は永遠の死の苦しみを味わい続けることになったのだ。
…私の、せいで。
響也くんのその台詞で、私が手術室の中に隠れていることに気づいただろう。
でも黒衣人間達は、響也くんが何を言ったのか分からなかったらしい。
私達が黒衣人間の話す言葉を理解出来ないように、黒衣人間の方も私達の言葉が分からないらしい。
きっと響也くんは、そのことを早々に察していたのだろう。
だから今際の際に、私に「出てくるな」と言ったのだ。
…何でそんなことが言えるの?
ねぇ。何でそんなことが言えるのよ?
助けて、って言えば良いじゃない。
そう言えたはずじゃない。何でこんな時まで…自分のことより、私のことを気遣えるの?
そしてそのまま、響也くんは「手術」されてしまった。
きっと酷く痛かったはずだ。辛かったはずだ。
血がいっぱい出ていた。肉を切り裂く音がした。
まるで命のない実験動物みたいに、響也くんの身体がめちゃくちゃにされていた…。
…その時、私が何をしていたかって?
…いつも通りだ。
私はいつも通り、何もしなかった。
ただ震えて、怯えながら、簡易クローゼットの中に隠れていた。
もし響也くんに「助けてくれ」と言われても、私は一歩も動けなかったに違いない。
一生懸命、自分に言い訳をしていた。
響也くんが戦っても無理だったのに、私が戦えるはずがない。
下手に出ていって二人共死んでしまったら、意味がない。
響也くんが「出てくるな」って言ったから。だから私はここに隠れているべき。
大丈夫、一度死んだってまた生き返るから。
生き返って、また響也くんが私のもとに戻ってきてくれる…。
…でも、そうはならなかった。
響也くんはそれ以降、私のもとに戻ってきてはくれなかった。
「死に戻り」はした。確かに。
でも、それは手術台の上で、の話だ。
響也くんは手術台の上で死んで、手術台の上で生き返って、また手術台の上で死んで、生き返って…を、繰り返していた。
どうしてそうなったのかは分からない。
分からないけど、一つ確かなことがある。
私が彼を助けなかったばかりに、彼は永遠の死の苦しみを味わい続けることになったのだ。
…私の、せいで。


