神に選ばれなかった者達 後編

朝になったら、俺は現実で目を覚ますんだったな。

…本当に、目、覚ますんだろうか?

誰にも望まれていないというのに…。

「…響也くん」

「ん?」

みらくが、そっと俺の服の裾を引っ張った。

そして、周囲に聞こえないよう小さな声で、囁くように言った。

「私、もう自分に嘘つくの、やめるね」

「…みらく…?」

「響也くんみたいに強くなりたい。…きっと、そうなってみせるから」

俺みたいに…?

あまり、俺みたいになることはおすすめしないが。

でも、みらくが決意表明をしているのだから、水を刺すようなことは言わない方が良いな。

「…そうか。…応援してるよ」

「うん、ありがと」

「…ただ、性別が違う以上、完全な意味で俺のようになるというのはふかの、」

「もう!そういうことじゃないってば…」

えっ?

「はぁ、まったくもう、君って人は…」

「…俺はまた何か、余計なことを言ったか?」

「…ううん、良いの。…そういう人だから、君のこと好きになったんだろうし…」

…??

ちょっと、声が小さくて良く聞こえなかった。

「済まないがもう一回言ってくれないか。聞き取れなかった」

「わざと聞こえないように言ったの。内緒」

…あ、そう。

現実で目覚める直前に、みらくは言った。

「じゃあ、また明日の夜にね。響也くん…それと、弟くんにもよろしく」

…弟くん?

って、誰のことだと聞こうとしたが…。




…そのタイミングで、時間切れだった。