ようやく左腕の傷が癒えたみらくは、よろよろしながらも自分の足で立ち上がった。
「ふぅ…。…助かった。ありがとう、のぞみちゃん…」
みらくは、のぞみに礼を言った。
そして、謝った。
「ごめんね、痛い思いさせて…」
「…いいえ。謝るのは私の方です」
「…え?」
何故、空音のぞみがみらくに謝る?
そもそも、そんなに接点があるようには見えなかったが。
「私…実は、心の中でずっと…みらくさんのこと、軽蔑してました」
「えっ…」
…ほう。
それは衝撃の告白だな。
「私あなたのこと軽蔑してます」なんて、思っていたとしても、滅多に本人に口にするものではないが。
敢えて打ち明けたということは、のぞみなりに思うところがあるのだろう。
「私の能力はこんなんで…。バケモノを倒すには全然向かないでしょう?」
と、空音のぞみはみらくを軽蔑していたという、その理由を説明し始めた。
…確かに、のぞみの能力は強力だが。
しかし、敵に対する殺傷能力は皆無だ。
戦う為ではなく、仲間をサポートする為の能力だ。
ましてや、この夢の中では、命は無限だ。
どんな大怪我をしても、死ねば自動的に生き返るのだから。
怪我を治すことに、それほど意味があるとは思えない…と、いう意見も分からなくはない。
その消極的な能力のせいで、空音のぞみは自らにコンプレックスを抱いてるようだった。
「私はずっと、ろくに戦えないせいで、お兄ちゃんに守られてばっかりで…。だから、手榴弾っていう強力な武器を持ったみらくさんのことが、羨ましかった」
「…」
その気持ち、分からないことはない。
俺も武器が貧弱だから、みらくの手榴弾が羨ましいと思う。
「私がその武器を持っていたら、もっと皆の役に立てるのに…。お兄ちゃんを助けられるのにって、そう思って…。怖がるばかりで、自分の手で戦わないみらくさんがもどかしかったんです」
「…そう…。…だよ、ね」
みらくは、申し訳なさそうに目を伏せた。
「自分でもそう思ってる…。もっと早くに…覚悟を決めて、自分の足で立って、自分の手で戦わなきゃいけなかったのに…」
「…」
「私は、響也くんに頼って…甘えるばかりで…」
…俺は別に、頼られているとも、甘えられているとも思ったことはないがな。
「萌音ちゃんに怒られて…そのことに気づいて…」
「…それで、覚悟を決めて響也さんを?」
「…うん」
みらくは照れ臭そうに、小さく笑って頷いた。
「…済みません。私、やっぱりみらくさんのこと、誤解してました。失礼ですけど、その…みらくさんにそんな勇気があるとは…」
「あはは…。無理もないね。正直、自分でも自分の行動力に驚いてるよ…」
まさかみらくが、現実で俺に会いに来るという行動力を発揮しているとは、まだ知らなかった。
「これからは、私も頑張る…。今日のぞみちゃんに助けてもらったしね」
「…ありがとうございます。私もお手伝いします」
…思わぬきっかけで、みらくと空音のぞみの間に友情が芽生えている。
…その横で。
「…」
「…いそらくん、凄い顔してる…」
「…いそら。大丈夫だ、別にみらくはお前の妹を盗ろうとしてる訳じゃないんだから」
どうやら、妹を奪われるかもしれないという危機感を考えているらしい。
さすが、自らをシスコンと自称するだけあるな。
「ふぅ…。…助かった。ありがとう、のぞみちゃん…」
みらくは、のぞみに礼を言った。
そして、謝った。
「ごめんね、痛い思いさせて…」
「…いいえ。謝るのは私の方です」
「…え?」
何故、空音のぞみがみらくに謝る?
そもそも、そんなに接点があるようには見えなかったが。
「私…実は、心の中でずっと…みらくさんのこと、軽蔑してました」
「えっ…」
…ほう。
それは衝撃の告白だな。
「私あなたのこと軽蔑してます」なんて、思っていたとしても、滅多に本人に口にするものではないが。
敢えて打ち明けたということは、のぞみなりに思うところがあるのだろう。
「私の能力はこんなんで…。バケモノを倒すには全然向かないでしょう?」
と、空音のぞみはみらくを軽蔑していたという、その理由を説明し始めた。
…確かに、のぞみの能力は強力だが。
しかし、敵に対する殺傷能力は皆無だ。
戦う為ではなく、仲間をサポートする為の能力だ。
ましてや、この夢の中では、命は無限だ。
どんな大怪我をしても、死ねば自動的に生き返るのだから。
怪我を治すことに、それほど意味があるとは思えない…と、いう意見も分からなくはない。
その消極的な能力のせいで、空音のぞみは自らにコンプレックスを抱いてるようだった。
「私はずっと、ろくに戦えないせいで、お兄ちゃんに守られてばっかりで…。だから、手榴弾っていう強力な武器を持ったみらくさんのことが、羨ましかった」
「…」
その気持ち、分からないことはない。
俺も武器が貧弱だから、みらくの手榴弾が羨ましいと思う。
「私がその武器を持っていたら、もっと皆の役に立てるのに…。お兄ちゃんを助けられるのにって、そう思って…。怖がるばかりで、自分の手で戦わないみらくさんがもどかしかったんです」
「…そう…。…だよ、ね」
みらくは、申し訳なさそうに目を伏せた。
「自分でもそう思ってる…。もっと早くに…覚悟を決めて、自分の足で立って、自分の手で戦わなきゃいけなかったのに…」
「…」
「私は、響也くんに頼って…甘えるばかりで…」
…俺は別に、頼られているとも、甘えられているとも思ったことはないがな。
「萌音ちゃんに怒られて…そのことに気づいて…」
「…それで、覚悟を決めて響也さんを?」
「…うん」
みらくは照れ臭そうに、小さく笑って頷いた。
「…済みません。私、やっぱりみらくさんのこと、誤解してました。失礼ですけど、その…みらくさんにそんな勇気があるとは…」
「あはは…。無理もないね。正直、自分でも自分の行動力に驚いてるよ…」
まさかみらくが、現実で俺に会いに来るという行動力を発揮しているとは、まだ知らなかった。
「これからは、私も頑張る…。今日のぞみちゃんに助けてもらったしね」
「…ありがとうございます。私もお手伝いします」
…思わぬきっかけで、みらくと空音のぞみの間に友情が芽生えている。
…その横で。
「…」
「…いそらくん、凄い顔してる…」
「…いそら。大丈夫だ、別にみらくはお前の妹を盗ろうとしてる訳じゃないんだから」
どうやら、妹を奪われるかもしれないという危機感を考えているらしい。
さすが、自らをシスコンと自称するだけあるな。


