響也くんは目を覚まさなかった。
私の声が届いているのか、いないのか…多分届いていないだろうけど。
でも、今は届かなくても良い。
私が響也くんを助けるから。その時に、本人に伝えれば良い。
私は響也くんの手を離し、立ち上がった。
さぁ、もう大丈夫。
「…会わせてくれてありがとう」
私は、響也くんの弟くんに言った。
「もう大丈夫」
「え、えぇと…。あの…」
弟くんは、戸惑い気味の表情を見せ。
それから、こう聞いてきた。
「あなたはもしかして…響也兄ちゃんの、ガールフレンド…か何か?」
「…まさか」
そんな風には思われてないよ。…私はきっと。
「大事な友達だよ」
友達とさえ、響也くんが思っててくれるかは分からないけど。
だけど…私はそう思ってる。
大事な友達だって。かけがえのない存在だって。
「友達…ですか。あの…響也兄ちゃんが何でこうなったのは…あなたは知ってるんですか?」
「…」
知っている。
だけど、夢の中での出来事を、弟くんに説明する訳にはいかなかった。
多分、響也くんも自分の弟に、夢の中のことを話してはいないだろうから。
それに…話しても、そんな荒唐無稽な話を信じてもらえるとは思えなかった。
「…ごめんね」
私は、弟くんに謝った。
「でも、もうすぐ…きっともうすぐ、目を覚ますから。信じて待っててあげて」
目覚めさせてみせる。
私が、きっと。
…響也くん。
…君のこと、今度は私が助けるから。
私の声が届いているのか、いないのか…多分届いていないだろうけど。
でも、今は届かなくても良い。
私が響也くんを助けるから。その時に、本人に伝えれば良い。
私は響也くんの手を離し、立ち上がった。
さぁ、もう大丈夫。
「…会わせてくれてありがとう」
私は、響也くんの弟くんに言った。
「もう大丈夫」
「え、えぇと…。あの…」
弟くんは、戸惑い気味の表情を見せ。
それから、こう聞いてきた。
「あなたはもしかして…響也兄ちゃんの、ガールフレンド…か何か?」
「…まさか」
そんな風には思われてないよ。…私はきっと。
「大事な友達だよ」
友達とさえ、響也くんが思っててくれるかは分からないけど。
だけど…私はそう思ってる。
大事な友達だって。かけがえのない存在だって。
「友達…ですか。あの…響也兄ちゃんが何でこうなったのは…あなたは知ってるんですか?」
「…」
知っている。
だけど、夢の中での出来事を、弟くんに説明する訳にはいかなかった。
多分、響也くんも自分の弟に、夢の中のことを話してはいないだろうから。
それに…話しても、そんな荒唐無稽な話を信じてもらえるとは思えなかった。
「…ごめんね」
私は、弟くんに謝った。
「でも、もうすぐ…きっともうすぐ、目を覚ますから。信じて待っててあげて」
目覚めさせてみせる。
私が、きっと。
…響也くん。
…君のこと、今度は私が助けるから。


