神に選ばれなかった者達 後編

ーーーーー…響也くんに甘えているばかりじゃいられない。

『処刑場』で萌音ちゃんに手酷く怒られて、私はそのことを強く実感した。

何より、これ以上彼に甘え続けることは、自分が許せなかった。

怖くないと言えば、それは嘘になる。

ううん…はっきり言おう。私は怖い。覚悟を決めたつもりでいても、今でも私は、立ち向かうことが怖かった。

だけどそれは、きっと響也君も同じだから。

彼だって怖かったはずだ。同じくらい…。

それでも私を助ける為に、その信じられないほどの恐怖と、そして痛みと戦っている。

なら、私だけ逃げ続けることは出来なかった。

その日、私は学校をサボって、スマホで探しものをした。

…何を探していたのか?

それは…。










「…あった…」

私は、目の前の建物と、スマホに映し出された画像を見比べ。

それが完全に一致していることを確認した。

…思いの外、早く見つけることが出来た。やはりネットの力は偉大だ。

そこは、学校だった。

高校だ。

夢の中で、ゾンビと戦っていた学校。

そして、現実で響也くんが毎日通っていた学校だった。