神に選ばれなかった者達 後編

結局俺は、母の望むような人間にはなれなかった。

捨てる時は、あまりにもあっさりだった。

母は躊躇わなかった。用済みになった俺を、ちり紙のように捨てた。

そして、二度とこちらを振り向くことはなかった。

今に至るまで、ずっと。

そのことが、酷く悲しかった。

きっと、捨てる時はあっさり捨てられるのだろうと思っていた。

母の性格からして、「私が悪かった。帰っておいで」なんて言ってくれるはずがないことも分かっていた。

だけど、俺は心の中で、少しだけ期待していたのかもしれない。

これまでずっと、生まれてからずっと一緒に暮らしてきた家族を。

見捨てることに、少しくらいは躊躇ってくれるんじゃないかと。

俺を手放すことを、少しだけでも惜しんでくれたら…。

…でも、そんな期待は呆気なく裏切られた。

予想通りだった。

母はいつだって、最後まで母だった。

俺に対する愛情なんて、欠片も持ち合わせていなかった…。

母に見捨てられた。だから俺は無価値な人間なのだ。

何の価値もない、捨てられた無能の成れの果て。

それが、今の萩原響也なのだ。