神に選ばれなかった者達 後編

…ひゃうぅ?

「何処の国の挨拶だ?」

多分俺の知らない他所の国の、「こんばんは」、「元気ですか?」くらいの意味なんだろう。

と、思ったが。

「ち、違うよ。びっくりしただけっ…」

とのこと。

成程、驚いた時の感嘆符だったか。それは知らなかった。

「何だ、響也君か…。バケモノかと思っちゃった…」

「前もそう言って殺されかけたな。俺は」

「もう思い出させないでよ…」

失礼。

「良かった、響也君と合流出来て…」

みらくは心底ホッとしたらしく。

手榴弾を、ウエストポーチにしまった。

「他の仲間達は?まだ見つかってないのか」

「うん…。でも、響也君と一番に会えて良かった」

え?

俺と一番に合流することに、一体何のメリットが?

…ふむ、理解不能だ。

いや、逆転の発想だ。もしかしたらみらくにとっては、消去法なのかもしれない。

空音兄妹は結束が固過ぎて、二人の間に挟まれていると気まずい。

妹尾ふぁには、意外と気さくに喋るから、押しに弱いみらくとしては苦手意識があるのかもしれない。

久留衣萌音は…。…頼もしいが、逆に頼もし過ぎてついていけない。

…じゃあ、佐乱李優が駄目な理由は何だ? 

リーダーシップもあるし、気遣いもよく出来るし、苦手意識を抱く理由はないように思えるが…。

「…李優だけに」

「…何言ってるの、響也君」

おっと済まない、こっちの話だ。

きっとみらくは…そう、あれだな。

「羽根が嫌なんだな」

「は?」

「確かに、野生の鳥の羽根にはウイルスや、有害な菌がついている可能性があるからな。しかし人間に生える羽根に関してはその限りではな、」

「ちょっと何言ってるのか分からないんだけど。…響也君、あなたまた、変な誤解してるでしょ?」

え?

変な…誤解?していたことがあったか?俺が。

「はぁ…。まぁ、別に良いけどね…。そういうところも含めて…私は…」

「?」

含めて…何だって?

すると、みらくはすすす、と俺の方に寄ってきて。

何故か顔を赤くして、服の袖を引っ張ってきた。

「ねぇ、響也君。誰もいないうちに、ちょっとつかぬことを聞くんだけど…」

「何だ?」

「響也君って…その…現実に、彼女とかいるの…?」

彼女…。…とか?

「その、だから…男女交際してる相手…」

「…??俺に交際相手がいるかどうかの有無が、みらくにどう関係、」

「い、良いから!教えてよ」

…ふむ。

「今のところはいないな」

「えっ、ほんと?」

何故笑顔?

「どうせお前は恋人いないんだろ?そうなんだろ?」という煽り文句なのだろうか。

「良かった〜…。…ま、でも響也君はそうだよね…。よしっ、セーフ…」

何やら、ぶつぶつと呟いている。

…何がセーフなんだ?