神に選ばれなかった者達 後編

パパとママは、気を遣って一階に戻っていった。

だから、今二階には萌音と李優だけ。

何だかうきうきするね。

「はい、李優。どうぞー」

「はいはい。どうも…って、うわっ…」

部屋の入り口で、びくっ、として足を止める李優。

…?

何かに躓いた?

「どうしたの?李優」

「どうしたの、じゃなくて…。これは何事なんだ?」

えっ?

李優の後ろから、女の子部屋を見渡すと。

…ぐちゃあ…と、無数の萌音の日記帳散らかっている。

…わー…。見られちゃった。

そういえばそうだった…。まだお片付けしてないんだった。

萌音…だらしない子…!って思われただろうか。

それはちょっと悲しいなぁ。

よし、何とか誤魔化そう。

「…李優、あのね」

「何だよ?」

「これは、そう…きっと、妖精さんの仕業だ」

「…妖精萌音ちゃんの仕業か?」

…バレてる。

「自分でやったんだろ。勝手に妖精さんのせいにするんじゃない」

「…!李優、何で分かるの?」

名探偵李優だ。

「だって、他に散らかす奴いないし…。やれやれ、全く…」

と言いながら、李優は部屋の中に入り。

散らかった日記帳を手に取って、段ボール箱に詰め直し始めた。

片付けてくれてる。萌音の代わりに。

「まずは、先に片付けるぞ。…ろくに座る場所もありゃしない」

「もー、仕方ないなー」

「お前のせいだけどな…」

えっ?

大丈夫大丈夫。二人でやれば、きっとすぐに片付け終わるよ。

萌音と李優は、段ボール箱に日記帳を詰め直した。

あとは、これを押し入れに戻すだけ。

「萌音、重いから、これは俺が…」

「ほぇ?」

丁度、萌音が日記帳を詰めた段ボール箱を、ひょいっと抱え上げたところだった。

「…ごめん。お前の方がずっと力持ちなんだった…」

「お片付け、お片付け〜」

段ボール箱を押し入れに戻して。

よし、これでお片付け完了。

やっぱり、二人でやったらあっという間だね。

…すると、そこに。

「萌音ちゃん。李優君。入るわよー」

「あ、ママだ」

女の子部屋に、お盆を持ったママが入ってきた。

丁度お片付けが終わったところです。ナイスタイミング。

ママは、グラスに入った二人分のアイスティーと、市販のパウンドケーキを二切れ、持ってきてくれた。

「スーパーで買ってきたもので申し訳ないけど、これ、良かったら二人でどうぞ」

「あ、そんな…。お構いなく」

李優は恐縮して、ママにぺこりと頭を下げた。

「何かあったら、遠慮なく呼んで頂戴ね」

「ありがとうございます」

「それじゃ、ごゆっくり」

ママはにこっ、と萌音と李優に微笑んで。

飲み物とおやつを置いて、女の子部屋を出て行った。