神に選ばれなかった者達 後編

さて、お客人に遠慮しながら、そーっと階段を降りて、リビングに向かう。

昨日あんなことがあったばかりだから、さすがのふぁにも警戒していた。

…。

…ほたるのお姉ちゃん、また別れ話してないだろうな?

さすがに、八つ当たりの二撃目は御免だぞ。

…しかし。

幸いなことに、今朝のリビングは無人だった。

ホッ。

リビングには誰もいなくて、キッチンも無人だった。

何故か、キッチンのテーブルの上に、手つかずの朝食が一人分、ラップをかけて置いてあった。

誰のだろう。

家族の中で、まだ寝てる人がいるのだろうか?

ま、どうでも良いけど。

それよりふぁには、救急箱を漁った。

お、あったあった。鎮痛剤。これこれ。

鎮痛剤の箱の中から、錠剤を1シート取り出す。

これ、まるまるもらってこ。

…え?バレたら面倒なことになる?

ふぁにだって、それは分かってるけど…。でも。

鎮痛剤を箱ごと持っていったらバレるかもしれないけど、1シートくらいならバレないんじゃね?

大丈夫大丈夫。わざわざ錠剤の残りをカウントしたりはしてないよ。…多分。

うん。そう思おう。

鎮痛剤を口の中に放り込んで、水無しで飲み込む。

…ふぅ。

これで、多分少しは痛みが収まるだろう。

…すると。

「…ほたる…」

背後から、いきなり声をかけられてびっくりした。

「は…?」

思わず反応してしまったが、ふぁにはほたるじゃないぞ。

振り返ると、そこには心配そうな顔をした、ほたるママがいた。

…あ、どうも。おはよう。