神に選ばれなかった者達 後編

…ってな訳で。

「今夜は、もう動くのはやめておこう。やるなら明日だ」

「…ふぇー」

ちょっと不満そうな萌音ちゃん。

それなら自分だけでも行ってくる、とか言いそう。

「じゃ、萌音だけで行ってくるよ」

ほらな。

しかし。

「駄目だ。一人でなんて危険過ぎる」

これには、李優君がストップをかけた。

「萌音なら大丈夫だよ」

「駄目だったら駄目だ。単独行動は禁止する」

「…別に、死んだっていくらでも生き返るのに…」

「そういう問題じゃない。死ねば死ぬほど、現実が『侵食』されるだろ」

そうなんだよ。

「侵食」がなかったら、自分らももっと大胆に動けるんだが。

世の中、そう上手く行かないもんだな。

「それに、みらくの手榴弾だって使い切ってるんだ」

そういや、そうだな。

ふぁに達の中で、一番強力な武器…手榴弾。

厨房を爆破する為に3個とも使っちゃったから、今のふぁに達は、結構無力だ。

萌音ちゃんも現状、手ぶらだしな。

丸腰で、まだ見ぬフロアに挑むのは危険過ぎる。

…やめといた方が良いだろうな。今夜は。

皆、大なり小なり疲れてるだろうし。

「焦る必要はない。明日の夜、また改めて動こう」

「むー…。…分かった」

不本意そうだったが、萌音ちゃんも納得した。

そうそう。それで良い。

どうせ今夜中に攻略したって、明日、また新しいステージに更新されるだけだ。

なら、焦る必要はないじゃないか。

明日も明後日も、悪夢を見ることに変わりはないのだから。