神に選ばれなかった者達 後編

で、およそ二時間、と三十分くらいかけて。

一階に入院していたバケモノ患者達は、全員まとめて始末した。

…やれやれ。

「はー、終わった終わった…」

皆でやると、早いもんだな。

仲間の力って凄い。偉大だ。

で、これで夢の中大病院、攻略完了…ってことになれば良かったんだけどなぁ。

「…それで?まだもう1フロア、あるんだっけ?」

「うん。四階」

四階…ねぇ。

てっきりふぁには最初、萌音ちゃんと李優君のいるフロアが四階だと思ってたが。

この二人がいたのは、地下室だったんだっけ?

萌音ちゃんと李優君が地下。

ふぁにが一階。

空音兄妹が二階。

で、響也君とみらくちゃんが三階…。

…残すは、全身未踏の四階だけ。

「…行ってみる?四階」

「萌音は良いよー」

あれだけの大仕事をしたのに、まだまだ元気いっぱいの萌音ちゃん。

ほんっと、強い子だなぁ。

…しかし。

「いや、今夜はもう…やめておこう」

リーダー格の李優君が、ドクターストップならぬ、李優君ストップをかけた。

…ま、君はそう言うと思ってた。

「ふぇ?何で?」

「だって、皆今夜はもう疲れてるだろ」

「萌音はまだまだ元気だよ?」

「…そりゃ、お前はそうかもしれないけど…」

…ふぁには、正直言うと、ちょっと疲れたかな。

体力的にも…精神的にもな。

みらくちゃんは言うまでもないし、そのみらくちゃんを心配する響也君も。

この二人が万全じゃないのに、今夜中の四階の攻略は無理だろう。

それに…。

「のぞみ…!大丈夫?」

「…ん…。…ごめん、お兄ちゃん…」

のぞみちゃんが、ふらっと立ち眩みを起こして、いそら君にもたれかかった。

「大丈夫…。ちょっと…疲れちゃっただけだから…」

本人は「ちょっと」と言ってるが、顔色が良くない。

ちょっとどころじゃなく、ぐったりと疲れているのは言うまでもなかった。

のぞみちゃんがこうなると、当然。

「悪いけど、今夜はもうのぞみを戦わせる訳にはいかない」

誰よりも、のぞみちゃんを最優先にするいそら君も、きっぱりとそう言った。

…ま、そうなるよな。

いそら君自身はまだまだ元気そうだったけど、のぞみちゃんが動けないなら、彼もその傍を離れることはない。