神に選ばれなかった者達 後編

「お兄ちゃんが駄目って言っても、絶対引かないからね」

「私もそうだよ。響也君、私を止めようとしても無駄だから」

…女性陣の押しが強い。

ふぁに達男共は、互いに顔を見合わせた。

「…それなら、手伝ってもらおう。ここまで言ってるんだし」

最初に折れたのは、李優君だった。

…ま、そうするしかなさそうだな。

ここで押し問答してても、二人共引き下がってはくれなさそうだし。

「…分かった。妥協しよう」

響也君も折れてくれた。

残るは、シスコンを自称するいそら君だが…。

「…お兄ちゃん」

「のぞみに無理はさせたくないんだけどな…」

「分かってるよ。でも私も、お兄ちゃんだけに辛い思いはさせたくないから」

「…こういう時は、言い出したら聞かないからな、のぞみは…。普段は聞き分けの良い、素直な良い子なんだけど…」

「悪かったわね」

「…仕方ない。でも、お兄ちゃんの傍を離れないでね」

シスコン、ここに極まれりだな。

ふぁににも…と言うより、ほたるにもお姉ちゃんいるけど。

今日、ドアに挟まれて指3本も折られたぞ。

こんな良いお兄ちゃんが存在する一方で、あんな酷いお姉ちゃんも存在するんだもんなぁ。

世の中ってのは不思議なもんだ。

「…よし、話はまとまった。ふぁに、作戦を話してくれないか」

おぉ、そうだったな。

「あんたさん達、皆覚悟は決まってるな?じゃ、遠慮なく…」

ふぁには、昨日までに見知った、このフロアの情報を皆に説明し。

そして、このフロアにいる「患者」の凄惨な殺し方を伝授した。

覚悟を決めたとは言ったものの、これにはみらくちゃんものぞみちゃんも、息を呑んでいた。

…ごめんな。

でも、今のところこれが、一番確実な方法だから。

やるしかないのなら、やるしかないだろう。