神に選ばれなかった者達 後編

「よし、それじゃ早速倒しに行こう」

血気盛んな萌音ちゃん、早速バケモノ退治に余念がない。

すると。

「ちょっと、萌音。待て。焦るな」

「ほぇ?」

「まずは情報収集が先だろ?ふぁにに、このフロアのことをよく聞いて…」

さすがリーダー格の李優君は、いつでも冷静だな。

…でも。

「情報収集なら、ふぁにが充分してるからもう必要ないよ」

「え?」

「それより、皆に手伝って欲しいことがあるんだけど」

このフロアを攻略するのは、比較的簡単だよ。

やり方はシンプル。

これまでふぁにがそれを出来なかったのは、一人だと荷が重かったから。

でも、仲間達が全員揃っているなら、話は別だ。

今なら、ふぁにがやりたかったことを出来る。

その為には、仲間達の協力が不可欠なのだ。

「協力してくれるかい?」

「勿論だ。何か策があるのか?」

「あー、まぁ策っつーほど大したもんじゃないんだが…」

そんな格好良い言い方しないでくれよ。

ふぁにの貧弱な頭脳じゃ、思いつく作戦なんてたかが知れてるからな。

「説明してくれるか、ふぁに」

「うん。説明はするんだけど…。えーと、その前に…女性陣は、別の場所に避難しておいた方が良いかもしれない」

「え?」

これは、ふぁになりの気遣いである。

しかし、萌音ちゃんは何を勘違いしたか。

「男女差別だ…」

と、呟いた。

「え、いやそういうつもりじゃ」

「しゅーん…」

違うから。ちょっと、落ち込まないでくれって。

なんか罪悪感を感じる。

「あの…いや、かなりグロいものを見ることになるから…。女性陣は退避しておいた方が良いかな、って…」

「萌音は平気だよ?」

あー、うん。

まぁ萌音ちゃんに関しては、ふぁに以上の歴戦の勇者だからな。

むしろ、ふぁにごとき下っ端が下手な気遣いをすると、有り難いどころか片腹痛いかもしれない。

「ごめん、じゃあ萌音ちゃん、あんたさんは残ってくれ。みらくちゃんとのぞみちゃんだけ、よそのフロアに…」

「そうだな。みらく、お前は上の階に…」

「のぞみも、エレベーターで上の階に戻ってて。あとはお兄ちゃんに任せ、」

「「絶対イヤ」」

みらくちゃんとのぞみちゃん、まさかのハモリ。

表情まで一緒だった。

「私も響也君と一緒に戦うって決めたんだから。私だけ逃げるような真似はしない」

「私だって。お兄ちゃんだけに戦わせたりしない。何を見ることになっても構わない。私も一緒に戦う」

…とのこと。

マジかよ。

のぞみちゃんは、まぁ分かるとして…みらくちゃんまで。

この子がこんなにはっきりと物を言うなんて。

しばらく見ないうちに、随分成長したなって。