神に選ばれなかった者達 後編

私と同時に、みらくさんも手榴弾を投げた。

凄まじい爆発音がして、檻の中で飼われていた子供達が、一瞬にしてただの肉塊になった。

最後の最後に、恨みがましい眼差しが私に突き刺さった…ような気がした。

気がしただけかもしれないけど。

だけど、私は目を逸らさなかった。

私が殺したのだから、私が向き合わなければならないことだ。

…一緒に背負うよ。

その無念も苦しみも、痛みも全部…。








「…あ、れ…」

…気がつくと、私はお布団の上で、アパートの天井を見つめていた。

…そっか。夜が明けたんだ…。

「お兄ちゃん…」

「…のぞみ…」

お兄ちゃんも、当たり前のようにアパートの中に居た。

「…大丈夫?あの黒衣人間達に殺されたりしなかった…?」

「大丈夫だよ。心配しないで」

…そうだよね。

「大丈夫?」って聞いたら、お兄ちゃんは大丈夫じゃなくても「大丈夫」って言う。

本当のところは分からない。

向こうは高性能な拳銃を持ってるのに、お兄ちゃんの武器は鉄パイプだけなんだから…。

そう思うと、守られているだけの自分が申し訳なくなる。

…だけど。

「お兄ちゃん、あのね…私、あいつら…ちゃんと倒したから」

「…うん」

「だから…もう、大丈夫だから…」

ちゃんと、やり遂げたからね。

お兄ちゃんの痛みも…皆の痛みも、決して無駄にはしないから…。

「…うん。ありがとう、よくやってくれたね、のぞみ」

お兄ちゃんは優しく微笑んで、私の頭にぽん、と手を置いた。

「…大丈夫?のぞみ」

「…うん。大丈夫」

一人じゃないから。…私も。