「とにかく、皆に任せっぱなしには出来ないから。私も戦う」
「私も」
「あ、のぞみ」
「みらく…」
男性二人の制止を聞かず、ズカズカと部屋の扉を潜る私とみらくさん。
「のぞみ…。昔は聞き分けの良い子だったのに…」
「まったくだ…。みらくも昔は…」
「これが成長したってことなんだろうが。嬉しいけど、お兄ちゃんはちょっと淋しい…」
「まったくだ」
「…いそらくんはともかく、何で君まで同意してるのよ…?」
「え?」
…私とお兄ちゃんはともかく、響也さんとみらくさんは、最近の知り合いでしょうよ。
これも響也さんなりのボケなのかもしれない。
真顔だから、全然そんな風に見えないけど。
…とにかく。
私も頑張って戦わなきゃ。萌音さんと李優さんだけで全滅させちゃうよ。
えぇと…武器、武器…武器になりそうなもの…。
「何を使えば良いかな…」
「萌音ちゃんみたいに、椅子を使ったらどうかな」
と、みらくさんが提案した。
そうね。それが一番手っ取り早いかも。
私とみらくさんは、それぞれ丸椅子を手に。
赤ん坊が眠る保育器の前にやって来た。
保育器の中には、赤ん坊が寝ていた。
赤ん坊の背中に、手のひらのような形の大きな瘤が出来ていた。
それはまるで、背中に歪な羽根が生えているようにも見えた。
不気味…だけど。
…やらなきゃ。
ここで躊躇ってちゃいけない。
「のぞみ、無理しなくても…」
と、お兄ちゃんはなおも私を止めようとしたけれど。
「大丈夫…。…やる」
ついに意を決して、丸椅子を振り上げ。
渾身の力で殴りつけた…の、だけど。
「はぇっ…?」
丸椅子で叩きつけても、ガッ、と痛そうな音がしただけで。
保育器は、びくともしていなかった。
…う、嘘でしょ。
手加減、したつもりはなかったんだけど。
「うっ…手がジンジンする…」
「任せて、私も…。…えいっ!」
みらくさんが、丸椅子を振り下ろしたけれど。
僅かに狙いが外れて、保育器のモニターを少し傷つけただけで、保育器の中身は無事。
「うぅっ、いったぁ〜…!反動でジンジンする…」
「よく見ると、これ、結構硬いね」
お兄ちゃんが、コンコン、と保育器のガラス部分を指の関節でノックした。
本当だ。これ、こんなに硬いの?
萌音さんあまりにも、プリンでも潰すように、あっさりとぺしゃんこにしているのに。
私とみらくさんは、たったこれだけのことで音を上げている。
…情けないにも程があるでしょ。
「私も」
「あ、のぞみ」
「みらく…」
男性二人の制止を聞かず、ズカズカと部屋の扉を潜る私とみらくさん。
「のぞみ…。昔は聞き分けの良い子だったのに…」
「まったくだ…。みらくも昔は…」
「これが成長したってことなんだろうが。嬉しいけど、お兄ちゃんはちょっと淋しい…」
「まったくだ」
「…いそらくんはともかく、何で君まで同意してるのよ…?」
「え?」
…私とお兄ちゃんはともかく、響也さんとみらくさんは、最近の知り合いでしょうよ。
これも響也さんなりのボケなのかもしれない。
真顔だから、全然そんな風に見えないけど。
…とにかく。
私も頑張って戦わなきゃ。萌音さんと李優さんだけで全滅させちゃうよ。
えぇと…武器、武器…武器になりそうなもの…。
「何を使えば良いかな…」
「萌音ちゃんみたいに、椅子を使ったらどうかな」
と、みらくさんが提案した。
そうね。それが一番手っ取り早いかも。
私とみらくさんは、それぞれ丸椅子を手に。
赤ん坊が眠る保育器の前にやって来た。
保育器の中には、赤ん坊が寝ていた。
赤ん坊の背中に、手のひらのような形の大きな瘤が出来ていた。
それはまるで、背中に歪な羽根が生えているようにも見えた。
不気味…だけど。
…やらなきゃ。
ここで躊躇ってちゃいけない。
「のぞみ、無理しなくても…」
と、お兄ちゃんはなおも私を止めようとしたけれど。
「大丈夫…。…やる」
ついに意を決して、丸椅子を振り上げ。
渾身の力で殴りつけた…の、だけど。
「はぇっ…?」
丸椅子で叩きつけても、ガッ、と痛そうな音がしただけで。
保育器は、びくともしていなかった。
…う、嘘でしょ。
手加減、したつもりはなかったんだけど。
「うっ…手がジンジンする…」
「任せて、私も…。…えいっ!」
みらくさんが、丸椅子を振り下ろしたけれど。
僅かに狙いが外れて、保育器のモニターを少し傷つけただけで、保育器の中身は無事。
「うぅっ、いったぁ〜…!反動でジンジンする…」
「よく見ると、これ、結構硬いね」
お兄ちゃんが、コンコン、と保育器のガラス部分を指の関節でノックした。
本当だ。これ、こんなに硬いの?
萌音さんあまりにも、プリンでも潰すように、あっさりとぺしゃんこにしているのに。
私とみらくさんは、たったこれだけのことで音を上げている。
…情けないにも程があるでしょ。


