神に選ばれなかった者達 後編

「あの日、君は僕の希望になったんだ…。僕にとって、本当の『のぞみ』は君なんだ」

「…」

…私?

私がのぞみ…?お兄ちゃんの妹?

「血が繋がっているかどうかなんて、どうでも良い…。僕が君を助けたんじゃない。希望を失った僕を、君が生かしてくれたんだ…」

そう言って、お兄ちゃんは鉄パイプを床に放り。

こちらに歩み寄ってきて、そして私を抱き締めた。

血まみれの手で。

「君が僕の『のぞみ』になってくれたから、僕はこうして生きることが出来た…。僕の『のぞみ』になってくれてありがとう。…のぞみ」

「…お…お兄ちゃん…」

私は、溢れ出る涙を拭う代わりに。

お兄ちゃんの身体に、両腕を回した。

「お兄ちゃん…。お兄ちゃんっ…お兄ちゃんっ…」

「うん、のぞみのお兄ちゃんだよ…。もう大丈夫だからね…」

「う、うぅ…」

私達は歪んだ兄妹だ。

互いが互いに依存した、狂った兄妹だ。

だけど、それが何だと言うのだろう。

歪んでいるからこそ、狂っているからこそ、私達は生きてこられた。

この偏愛が、私達を生かしたのだ。

それだけが事実だ。