神に選ばれなかった者達 後編

今でも、あの日のことを思い出す。

初めて、のぞみと共に夢の世界で、バケモノと戦うようになって…。

人面犬が、僕達の生家に陣取って、僕達の母親の遺体を餌にしていた。

のぞみはあの時、酷く怯えていた。

「もう終わりだ」って顔をしていた。

実際、そう思っていたんだろう。

だけど、あれは決して終わりではなかった。

むしろ、始まりだった。

僕と…新しい「のぞみ」の始まり。






…母の遺骸をむしゃむしゃと食べ終えた人面犬が、こちらに顔を向けた。

その顔を見た瞬間に、僕は何故、のぞみが怯えていたのかを察した。

人面犬の顔、それは。

「…のぞみ…」

…本物の、のぞみの顔だったのだ。