ーーーーー…その日の夜。
僕は、のぞみにもらったばかりのグレーのマフラーを首に巻いて、鏡の前に座っていた。
…見てよ、これ。
なんて可愛いんだろう。
マフラーが、じゃないよ。これをプレゼントしてくれたのぞみが。
なんて可愛らしくて、そして優しい子なんだろう。
生きてて良かった。
この間拾ったスカーフは、ゴミ箱に放り込んでおいた。
もうあんなものは要らない。
のぞみがくれたマフラーの方が、遥かに価値があるに決まってるだろう?
それにほら、あのスカーフつけてたら、のぞみに「百姓みたい」って言われちゃったし。
まぁ百姓でも何でも良いけど。
とにかくのぞみ最高。最高に可愛い。最高に素敵。
この喜びを多くの人に知って欲しくて、手始めに近所中に報告して回ったところ。
近所に住む住民達は、皆悲鳴をあげて喜んでくれたよ。
「のぞみちゃんは素敵な良い子だね」って。
その通り。お兄ちゃんもそう思います。
何故か、のぞみはその後、やたらぐったりしてたけど。
きっと、今日は放課後に『ブラック・カフェ』なる場所に行ったから、疲れてるんだろう。
そうに違いない。
お兄ちゃんは、ほくほくとマフラーを首に巻いた。
なんて温かい。
のぞみの心の温かさみたいだよ。
「お兄ちゃん、そろそろ寝る時間だよ」
と、のぞみが声をかけてきた。
「うん、分かってるよ」
「分かってるなら、そろそろマフラーは外さなきゃ…」
「嫌だ。つけたまま寝る」
「何言ってるのよ…。マフラーつけたまま寝るなんて…」
だって、お気に入りなんだもん。
「寝てる間に首が絞まったらどうするの?」
「のぞみのマフラーで首が絞まって死ぬなら…それは本望!」
「本望、じゃないわよ。そんなことで死ぬなんて、絶対許さないからね。外して」
「あぁっ…」
のぞみはマフラーに手を伸ばし、しゅるり、とほどかれてしまった。
あぁ…切ない。
でも、仕方ないか…。僕だって、のぞみを残して先に死ぬつもりはないし。
「さぁ、これからまた夢の中なんだから。気を抜いちゃ駄目よ」
「分かってる、分かってるって。のぞみ」
「もう…お兄ちゃんったら…」
大丈夫大丈夫。何が出てきたとしても、お兄ちゃんがのぞみを守ってあげるから。
…前と同じように。
僕は、のぞみにもらったばかりのグレーのマフラーを首に巻いて、鏡の前に座っていた。
…見てよ、これ。
なんて可愛いんだろう。
マフラーが、じゃないよ。これをプレゼントしてくれたのぞみが。
なんて可愛らしくて、そして優しい子なんだろう。
生きてて良かった。
この間拾ったスカーフは、ゴミ箱に放り込んでおいた。
もうあんなものは要らない。
のぞみがくれたマフラーの方が、遥かに価値があるに決まってるだろう?
それにほら、あのスカーフつけてたら、のぞみに「百姓みたい」って言われちゃったし。
まぁ百姓でも何でも良いけど。
とにかくのぞみ最高。最高に可愛い。最高に素敵。
この喜びを多くの人に知って欲しくて、手始めに近所中に報告して回ったところ。
近所に住む住民達は、皆悲鳴をあげて喜んでくれたよ。
「のぞみちゃんは素敵な良い子だね」って。
その通り。お兄ちゃんもそう思います。
何故か、のぞみはその後、やたらぐったりしてたけど。
きっと、今日は放課後に『ブラック・カフェ』なる場所に行ったから、疲れてるんだろう。
そうに違いない。
お兄ちゃんは、ほくほくとマフラーを首に巻いた。
なんて温かい。
のぞみの心の温かさみたいだよ。
「お兄ちゃん、そろそろ寝る時間だよ」
と、のぞみが声をかけてきた。
「うん、分かってるよ」
「分かってるなら、そろそろマフラーは外さなきゃ…」
「嫌だ。つけたまま寝る」
「何言ってるのよ…。マフラーつけたまま寝るなんて…」
だって、お気に入りなんだもん。
「寝てる間に首が絞まったらどうするの?」
「のぞみのマフラーで首が絞まって死ぬなら…それは本望!」
「本望、じゃないわよ。そんなことで死ぬなんて、絶対許さないからね。外して」
「あぁっ…」
のぞみはマフラーに手を伸ばし、しゅるり、とほどかれてしまった。
あぁ…切ない。
でも、仕方ないか…。僕だって、のぞみを残して先に死ぬつもりはないし。
「さぁ、これからまた夢の中なんだから。気を抜いちゃ駄目よ」
「分かってる、分かってるって。のぞみ」
「もう…お兄ちゃんったら…」
大丈夫大丈夫。何が出てきたとしても、お兄ちゃんがのぞみを守ってあげるから。
…前と同じように。


