その後の顛末については…もう思い出したくない。
アパートに住む、在宅中だった全ての住民に、私にもらったマフラーの自慢をした後。
お兄ちゃんは満足そうに、自分の部屋に戻ってきた。
私はその後を追って、一軒一軒に謝罪して回った。
お風呂に入っている真っ最中で、素っ裸を見られた男性には、特に深く深く謝罪した。
お兄ちゃんが突撃した全ての住民に、何度も謝罪を繰り返した後。
私は、よろよろしながら部屋に戻った。
「お、お兄ちゃん…」
「あっ、のぞみお帰り!」
お帰り、じゃないのよ。
そんな爽やかな顔しないで。
お兄ちゃんは、私がプレゼントしたマフラーを首に巻いていた。
あぁ…良かった、お兄ちゃん。とっても似合うわ…。
ただ私は今、こんなプレゼントしなきゃ良かったと深く後悔しているわ。
「ありがとう、のぞみ。お兄ちゃん、凄く嬉しいよ」
「そう…。良かったわね…」
「うん。アパートの皆もそう言ってたよ。『のぞみちゃんって本当に可愛いね!』って」
そんなこと、誰一人言ってなかったけど?
皆さん叫んでたわよ。
駄目だ…。お兄ちゃんには、近所の皆さんの叫び声が、全部褒め言葉に聞こえちゃってる…。
「留守だった部屋の住民に伝えられなかったのが残念だよ」
「そんなこと…よその人に伝えなくて良いわ…」
「何を言うんだ。のぞみ、感動は共有しないと!」
感動してるのはお兄ちゃんだけで、他の人は知ったことじゃないと思うわよ。
「そうだっ!この感動をポスターにまとめて、各部屋に投函しよう」
「やめて」
迷惑だから。そんなことしたら迷惑だから。
明日から私、どんな顔して近所の皆さんに挨拶すれば良いの?
「この部屋には異常な兄妹が住んでる」って、思われているに違いない。
それなのに、お兄ちゃんだけはホクホク顔で。
「ふふ。今日は最高に素敵な一日だよ」
「…」
…近所からの評価はともかく。
こんなに喜んでいる姿を見ると、やっぱりプレゼントして良かったのかな…と、思わせてくるのだからズルい。
…明日、お兄ちゃんを無理矢理引っ張って、各部屋の謝罪に回ろう。
アパートに住む、在宅中だった全ての住民に、私にもらったマフラーの自慢をした後。
お兄ちゃんは満足そうに、自分の部屋に戻ってきた。
私はその後を追って、一軒一軒に謝罪して回った。
お風呂に入っている真っ最中で、素っ裸を見られた男性には、特に深く深く謝罪した。
お兄ちゃんが突撃した全ての住民に、何度も謝罪を繰り返した後。
私は、よろよろしながら部屋に戻った。
「お、お兄ちゃん…」
「あっ、のぞみお帰り!」
お帰り、じゃないのよ。
そんな爽やかな顔しないで。
お兄ちゃんは、私がプレゼントしたマフラーを首に巻いていた。
あぁ…良かった、お兄ちゃん。とっても似合うわ…。
ただ私は今、こんなプレゼントしなきゃ良かったと深く後悔しているわ。
「ありがとう、のぞみ。お兄ちゃん、凄く嬉しいよ」
「そう…。良かったわね…」
「うん。アパートの皆もそう言ってたよ。『のぞみちゃんって本当に可愛いね!』って」
そんなこと、誰一人言ってなかったけど?
皆さん叫んでたわよ。
駄目だ…。お兄ちゃんには、近所の皆さんの叫び声が、全部褒め言葉に聞こえちゃってる…。
「留守だった部屋の住民に伝えられなかったのが残念だよ」
「そんなこと…よその人に伝えなくて良いわ…」
「何を言うんだ。のぞみ、感動は共有しないと!」
感動してるのはお兄ちゃんだけで、他の人は知ったことじゃないと思うわよ。
「そうだっ!この感動をポスターにまとめて、各部屋に投函しよう」
「やめて」
迷惑だから。そんなことしたら迷惑だから。
明日から私、どんな顔して近所の皆さんに挨拶すれば良いの?
「この部屋には異常な兄妹が住んでる」って、思われているに違いない。
それなのに、お兄ちゃんだけはホクホク顔で。
「ふふ。今日は最高に素敵な一日だよ」
「…」
…近所からの評価はともかく。
こんなに喜んでいる姿を見ると、やっぱりプレゼントして良かったのかな…と、思わせてくるのだからズルい。
…明日、お兄ちゃんを無理矢理引っ張って、各部屋の謝罪に回ろう。


