おうちに帰ってから。
「はーい、のぞみ。お待ちどうさまー」
「…!ありがとう、お兄ちゃん」
我が家のシェフであるお兄ちゃんが、今日の夕飯を作って持ってきてくれた。
今日のメニューは、ちくわ天丼と、豆苗のおひたし。
このちくわ天丼というのは、ちくわ天をご飯に乗せたものではなく。
味付けして焼いたちくわと、天かすをいっぱいご飯に乗せたものである。
ぱりぱりした天かすとちくわ、それからご飯を一緒に口の中に入れると、なんちゃってちくわ天丼みたいな味になるの。
良いアイデアでしょ?
それから、この豆苗のおひたし。
豆苗っていうのは素晴らしい野菜で、なんと使った後に根っこの部分を水につけておくと、また生えるの。
一回買うだけで、そうやって二、三回繰り返し食べられるんだから、エコだよね。
そしてお財布にも優しい。
しかも、茹でてお醤油かけて食べるだけで美味しい。なんて万能野菜。
「どう、美味しい?のぞみ」
「うん。美味しい」
お兄ちゃんのご飯はいつだって、文句なく美味しい。
しかし。
「そう?…無理してない?」
と、聞いてきた。
「…??無理ってどういうこと?」
「いや…。さっきまで、美味しい喫茶店に行ってたんでしょう?だったら、お兄ちゃんのご飯なんて美味しくないかなと思って…」
「…!」
とんでもない。
「そんなことないよ…。カフェの料理も美味しかったよ。物凄く高かったけど…」
むしろ、それだけ高いなら、美味しいのは当たり前って言うか…。
高いのに美味しくないのは最悪。
「でも、それはそれだよ。カフェの料理とお兄ちゃんの料理、どっちを食べたいかって聞かれたら、私はお兄ちゃんの料理を選ぶもん」
「…!のぞみ…」
「…ごめんね、お兄ちゃん。私、お兄ちゃんが頑張って稼いだお金を…無駄遣いしちゃって…」
今日、遅くまでお仕事してたのもそのせいだもんね。
お兄ちゃんには何の恩恵もないのに…。私はお兄ちゃんのお金を浪費して…。
嫌味の一つや二つくらい、飛んできても文句は言えない。
それなのに。
「…そんなこと気にしなくて良いんだよ、のぞみ」
お兄ちゃんは、優しく微笑みながらそう言った。
「お兄ちゃんはのぞみに、人並みの生活をさせてあげたくて、いつも頑張ってるんだから。美味しいものを食べさせて、綺麗な服を着させて、勉強もさせて…」
「充分だよ。もう、充分…良くしてもらってるよ」
現実でも、夢の中でも。
いつだって、充分良くしてもらっている。
…私には、勿体無いくらいに。
「だから、今度は…今度は一緒に行こうね。私だけじゃないなくて、お兄ちゃんも」
「いや、お兄ちゃんは良いんだよ。のぞみだけで…」
「嫌。お兄ちゃんが行かないなら私も行かないから」
「…のぞみは良い子だけど、ちょっと頑固だな…」
頑固で結構よ。
「はーい、のぞみ。お待ちどうさまー」
「…!ありがとう、お兄ちゃん」
我が家のシェフであるお兄ちゃんが、今日の夕飯を作って持ってきてくれた。
今日のメニューは、ちくわ天丼と、豆苗のおひたし。
このちくわ天丼というのは、ちくわ天をご飯に乗せたものではなく。
味付けして焼いたちくわと、天かすをいっぱいご飯に乗せたものである。
ぱりぱりした天かすとちくわ、それからご飯を一緒に口の中に入れると、なんちゃってちくわ天丼みたいな味になるの。
良いアイデアでしょ?
それから、この豆苗のおひたし。
豆苗っていうのは素晴らしい野菜で、なんと使った後に根っこの部分を水につけておくと、また生えるの。
一回買うだけで、そうやって二、三回繰り返し食べられるんだから、エコだよね。
そしてお財布にも優しい。
しかも、茹でてお醤油かけて食べるだけで美味しい。なんて万能野菜。
「どう、美味しい?のぞみ」
「うん。美味しい」
お兄ちゃんのご飯はいつだって、文句なく美味しい。
しかし。
「そう?…無理してない?」
と、聞いてきた。
「…??無理ってどういうこと?」
「いや…。さっきまで、美味しい喫茶店に行ってたんでしょう?だったら、お兄ちゃんのご飯なんて美味しくないかなと思って…」
「…!」
とんでもない。
「そんなことないよ…。カフェの料理も美味しかったよ。物凄く高かったけど…」
むしろ、それだけ高いなら、美味しいのは当たり前って言うか…。
高いのに美味しくないのは最悪。
「でも、それはそれだよ。カフェの料理とお兄ちゃんの料理、どっちを食べたいかって聞かれたら、私はお兄ちゃんの料理を選ぶもん」
「…!のぞみ…」
「…ごめんね、お兄ちゃん。私、お兄ちゃんが頑張って稼いだお金を…無駄遣いしちゃって…」
今日、遅くまでお仕事してたのもそのせいだもんね。
お兄ちゃんには何の恩恵もないのに…。私はお兄ちゃんのお金を浪費して…。
嫌味の一つや二つくらい、飛んできても文句は言えない。
それなのに。
「…そんなこと気にしなくて良いんだよ、のぞみ」
お兄ちゃんは、優しく微笑みながらそう言った。
「お兄ちゃんはのぞみに、人並みの生活をさせてあげたくて、いつも頑張ってるんだから。美味しいものを食べさせて、綺麗な服を着させて、勉強もさせて…」
「充分だよ。もう、充分…良くしてもらってるよ」
現実でも、夢の中でも。
いつだって、充分良くしてもらっている。
…私には、勿体無いくらいに。
「だから、今度は…今度は一緒に行こうね。私だけじゃないなくて、お兄ちゃんも」
「いや、お兄ちゃんは良いんだよ。のぞみだけで…」
「嫌。お兄ちゃんが行かないなら私も行かないから」
「…のぞみは良い子だけど、ちょっと頑固だな…」
頑固で結構よ。


