神に選ばれなかった者達 後編

誕生日おめでとうの歌を歌った後。

ようやく食事タイムかと思ったが、もうワンクッションあった。

「はいっ、りーちゃん。これ、私達から」

「えっ、何々?」

ここで、プレゼントが登場。

皆で選んで皆でお金を出し合ったプレゼントを、りーちゃんに手渡す。

「うそー。皆プレゼントまで用意してくれたの?嬉しい」

「ほらほら、開けてみて」

ここで開封するの?食べる前に?

りーちゃんがプレゼントを開けると、中から出てきたのはマグカップと、紅茶クッキーセット。

「うわー、可愛い!」

「どう?気に入ってくれた?」

「めちゃくちゃ気に入ったよ!ありがとう、皆!」

だよね。高かったもん。

私だったら、あんなお洒落でお高いマグカップをもらったら、絶対使えないよ…。

一生置き物にして飾ってそう。

「すっごい嬉しい。最高の誕生日プレゼントだよ」

…とやっていると、そんな私達の様子を目にした店員さんが声をかけてきた。

「お客様、お誕生日なんですか?」

「えっ?あ、はい」

「そうなんですね。おめでとうございます」

ぱちぱちと、店員さんも手を叩いて祝福してくれた。

凄い。とっても粋なサービス。

「あ、ありがとうございます…」

これには、りーちゃんも驚いた顔で恐縮。

お高いお店って、こんなサービスしてくれるの?

それとも、この店員さんが親切なだけ?

…すると、私達のすぐ後ろのテーブルから。

私達の様子を聞いていたらしい、男性二人組のお客さんが、こんな会話をしていた。

「凄いな…。お前の店、こんなサービスまでしてるのか」

「ふっ。うちは社員教育に力を入れてるので。この程度は当然です」

「そ、そうなのか…」

「勿論、一人ずつ俺がぺろっと味見をしてから採用、」

「あーはいはい。そういうことは言わなくて良いからな」

…何だか不穏な会話。

もしかして、このお店のオーナー的な人だろうか…?

やけに目立つ、青い薔薇のブローチをつけた…。

…。

うん。詮索しない方が良い気がする。

聞かなかったことにして、目の前の料理に集中しよう。