神に選ばれなかった者達 後編

マグカップと紅茶、クッキーセットをラッピングしてもらったプレゼントを手に。

今日、誕生日を迎えた女友達…あだ名はりーちゃん…を、カフェに誘った。

「ねぇねぇりーちゃん、今日カフェに寄って帰ろうよ」

「えっ?」

「今日誕生日でしょ?皆で奢ってあげる」

うわぁ…。

口には出来なかったが、「奢ってあげる」なんて、安請け合いするものじゃないよ。

どうするの?「奢ってあげる」なんて軽々しく口にして。

「ほんと?じゃあ全メニュー注文しちゃおーっと」なんて言われたら。

…まぁ、りーちゃんはそういうこと言う子じゃないけど。

「えぇーっ!皆、覚えててくれたんだ。ありがとー!」

「当たり前だよー。そんなの忘れる訳ないじゃん!」

「毎年覚えてるよ」

皆が居る手前、私も笑顔で頷いたけど。

…ごめんなさい。私は忘れてました。

「ね、お願い。一緒に行こう」

「すっごいおすすめのカフェなんだよ」

「えぇ〜?嬉しいなぁ。じゃあ、是非ご一緒させてもらおうかな」

と、まんざらでもないりーちゃん。

…だよねぇ。

「ごめん、今日は無理なの」と言って断ってくれることを、心の何処かで期待していた。

私の考えが甘かった。

…やっぱりそうなるよね…。

別に、りーちゃんの誕生日をお祝いしたくない訳じゃないよ。

余計なお金を使いたくないってだけ。

「よーし、それじゃ行こー」

「期待しててね、りーちゃん!」

あ、あはは…。

乾いた微笑みを浮かべながら、私達はりーちゃんの誕生日を祝う為。

人生で初めて、カフェとやらに行くことになった。

同時に、心の中でお兄ちゃんに謝罪。

ごめんね、余計なお金使っちゃうことになりそう…。