神に選ばれなかった者達 後編

ボタンを押すと、エレベーターが動き出した。

萌音達は、今四階にいるのだと思っていた。

響也君が、この病院は四階建てだって言ってたから。

一階にふぁに君がいて、二階に空音兄妹がいて、三階に響也君とみらくちゃんがいるのなら。

四階には、萌音と李優がいる。

…ものだと、そう思い込んでいた。

だから、エレベーターは下に動くはずだった。

それなのに。

「…!李優、これ上に行ってる?」

「あぁ…。上がってるな」

萌音の予想に反して、エレベーターは上昇していた。

…あれー…? 

どういうことなの?って聞きたかったけど、くノ一さんはもう死んでるし。

第一、言葉が通じないから、どっちみち聞けなかったんだけど。

おかしいな…。降りるんじゃなくて上がってる…?

「萌音達、一体何階にいたの?」

「…分からない。いや、…けど…もしかして…」

「何?」

「…もしかして、俺達がいたのって、地下か?」

地下?

四階建ての建物で、地下がある…。実質五階建て。

成程、それならエレベーターの中にボタンが5つあったことにも、説明がつくね。

一階、二階、三階、四階…そして地下。

萌音達がいた霊安室と焼却炉は、地下にあったのだ。

「名探偵李優だね」

「いや…。この程度で名探偵呼ばわりされても…」

「それじゃ、四階には誰がいるの?誰もいないってこと?」

「…そうなるな」

てっきり萌音達、四階にいると思ってたのに。

ところがどっこい、地下だった。

ってことは、四階はノータッチなんだ。

うーん…。何が待ち受けているのか、何だか嫌な感じだね。

…などと、考えていると。

エレベーターが、目的地に止まった。

「あ、止まった」

うぃーん、とエレベーターの扉が開く。

ここ、何階かな?

「どう?三階だと思う?」

「…分からない。探してみよう」

「よーし。病院探検だねー」

待っててね、響也君。みらくちゃん。

名探偵李優と、その助手の萌音が…今、君達を助けに行くよ。