萌音は昔から、ずっとそうだったな。
いくら人に優しくされても、優しさを教えてもらっても。
他人に優しくするってことが出来ないの。
もとはと言えば全部…。そのせいで…。パパとママも…。
「萌音、多分みらくちゃんに嫌われちゃってるよね…」
「…萌音…」
なんて冷たいこと言う子なんだろう、って思っただろうね。
あの萌音ちゃんって子は嫌な子だって、意地悪な子だって、きっとそう思ったよね。
分かってるよ。
だけど、萌音にはそれが出来ない。
他人が当たり前のように持っている優しさを、他人に向けることが出来ない。
もしかしたら萌音は、人間として何か大事なものが欠けているのかもしれない。
「萌音は嫌な子だ」
他人に優しくしなければ、自分も優しくしてもらえなくなる。
誰にも優しくしてもらえない人間は、いずれ一人ぼっちになる…。
嫌と言うほど聞かされた言葉を、萌音は再び思い出して。
そして、酷く苦しい気持ちになった。
…しかし。
「…萌音は嫌な子なんかじゃない」
李優は、きっぱりとそう言った。
「…李優…?」
「萌音は嫌な子なんかじゃねぇよ…。人に優しくするばかりが、甘やかしてやるばかりが優しさじゃない。時には厳しいことを言うのも優しさだ」
「…」
時には…って、李優は言うけど。
萌音はいつも、厳しいことしか言ってない気がする。
「それにな、萌音が優しくないなんて、俺は思ったことないぞ。お前は優しい女の子だ」
「…本当にそう思うの?」
「お世辞で嘘は言わねぇよ…。大体、本当に優しくない人間は、『自分は優しくない』なんて言わないだろ」
…そうなのかな。
自覚があるだけマシ、ってこと?
「萌音は優しいよ。ただ、お前はちょっと不器用なだけだ。優しさの伝え方が難しいだけだ。優しくないなんてことはない」
「…そうかな」
「そうだよ。だから堂々としてれば良いんだ。俺はいつも通り、普段通りの萌音が好きだよ」
…そっか。
「ありがと、李優…。萌音も李優のこと好きだよ」
「お、おう…」
「…凄く好き。いっぱい好き。好きが爆発するくらい好き…」
「わ、分かった、分かったから。あんまむず痒いこと言うなって…」
言うよ。
だって、李優は萌音を選んでくれた。
こんなどうしようもない萌音と、ずっと一緒にいてくれた。
実の両親でさえ、萌音とは一緒にいられないって言ったのに。
だから萌音は、李優の為に頑張ろう。
李優が喜んでくれるように、李優を助けられるように、萌音に出来ることをする。
いくら人に優しくされても、優しさを教えてもらっても。
他人に優しくするってことが出来ないの。
もとはと言えば全部…。そのせいで…。パパとママも…。
「萌音、多分みらくちゃんに嫌われちゃってるよね…」
「…萌音…」
なんて冷たいこと言う子なんだろう、って思っただろうね。
あの萌音ちゃんって子は嫌な子だって、意地悪な子だって、きっとそう思ったよね。
分かってるよ。
だけど、萌音にはそれが出来ない。
他人が当たり前のように持っている優しさを、他人に向けることが出来ない。
もしかしたら萌音は、人間として何か大事なものが欠けているのかもしれない。
「萌音は嫌な子だ」
他人に優しくしなければ、自分も優しくしてもらえなくなる。
誰にも優しくしてもらえない人間は、いずれ一人ぼっちになる…。
嫌と言うほど聞かされた言葉を、萌音は再び思い出して。
そして、酷く苦しい気持ちになった。
…しかし。
「…萌音は嫌な子なんかじゃない」
李優は、きっぱりとそう言った。
「…李優…?」
「萌音は嫌な子なんかじゃねぇよ…。人に優しくするばかりが、甘やかしてやるばかりが優しさじゃない。時には厳しいことを言うのも優しさだ」
「…」
時には…って、李優は言うけど。
萌音はいつも、厳しいことしか言ってない気がする。
「それにな、萌音が優しくないなんて、俺は思ったことないぞ。お前は優しい女の子だ」
「…本当にそう思うの?」
「お世辞で嘘は言わねぇよ…。大体、本当に優しくない人間は、『自分は優しくない』なんて言わないだろ」
…そうなのかな。
自覚があるだけマシ、ってこと?
「萌音は優しいよ。ただ、お前はちょっと不器用なだけだ。優しさの伝え方が難しいだけだ。優しくないなんてことはない」
「…そうかな」
「そうだよ。だから堂々としてれば良いんだ。俺はいつも通り、普段通りの萌音が好きだよ」
…そっか。
「ありがと、李優…。萌音も李優のこと好きだよ」
「お、おう…」
「…凄く好き。いっぱい好き。好きが爆発するくらい好き…」
「わ、分かった、分かったから。あんまむず痒いこと言うなって…」
言うよ。
だって、李優は萌音を選んでくれた。
こんなどうしようもない萌音と、ずっと一緒にいてくれた。
実の両親でさえ、萌音とは一緒にいられないって言ったのに。
だから萌音は、李優の為に頑張ろう。
李優が喜んでくれるように、李優を助けられるように、萌音に出来ることをする。


