李優は、コアラみたいにくっついてる萌音を見下ろした。
「俺には萌音がいるから…。萌音のことが大事だから…。他の人とは付き合えない。ごめん」
「…そう…ですか」
一年生の女の子は、心底残念そうな顔をして。
それから、握っていた李優の手を離した。
「残念です…。凄く…」
「そうか…。…悪かったな」
「佐乱先輩が、どうしてもその人が良いなら…仕方ないです。諦めます…」
「そうしてくれると助かる」
切実。
あと、萌音もそうしてくれると助かる。
だけど、去り際に。
「でも…その人、あんまり佐乱先輩に似つかわしくないと思いますよ」
と、捨て台詞みたいに言った。
「…」
思いもよらぬ不意打ちに、李優は無言で、萌音も無言。
「…それじゃ、失礼します…」
言いたいことを言いたいだけ言って、そそくさと去る女の子。
…やっとどっかに行ってくれた。
「萌音だけの李優…。萌音だけのだもん…」
「分かった、分かったから…。もう離れろって」
「…やだもん」
「…我儘かよ…」
我儘だもん。
だって李優のこと離したら、またあの女の子が戻ってきて取ってっちゃうかもしれないでしょ?
そんなのやだもん。
「はいはい。心配しなくても、俺は何処にも行かないよ」
「…ほんと?萌音を置いてけぼりにしたりしない?」
「こんなに手のかかる恋人を、一人で置いていけるかよ。良い子だから離れてくれ。な?こんなところ人に見られたら困る」
「…」
…渋々。
渋々、萌音は李優から離れた。
おっきな抱き枕みたいで、抱き心地良かったんだけどなぁ。
「ったく、やれやれ…」
「…嫌いになった?萌音のこと…」
「なる訳ないだろ?こんなことくらいで。何年一緒に居ると思ってんだ」
「…」
いっぱい一緒に居るね。
現実でも、夢の中でも…。
いつだって、李優は萌音のことを助けてくれた。
萌音のことだけじゃない。仲間のみんなのことも。
だから萌音は、そんな李優が好き。
萌音にはない優しさを、いっぱい、たくさん持ってるから。
そんな李優に比べて、萌音は…。
「作戦会議するつもりが、すっかりそんな時間なくなっちまったな…」
「…しょぼーん」
「…何落ち込んでんだよ?どうしたんだ。情緒不安定だな今日は」
うん。
「だって…萌音、悪い子だった…」
「…は?」
「また優しく出来なかったよ…」
李優の優しさに比べると、あまりの落差に落ち込んでしまう。
「…一体何のことだよ?」
「李優、萌音って意地悪だと思う?優しくないと思う?」
「…どうしたんだ、一体」
昨日の『処刑場』でも、萌音はみらくちゃんに優しい言葉をかけてあげられなかった。
李優はみらくちゃんを助けようとしてたのに、萌音はみらくちゃんを追い詰めるだけで。
もしかして、また…凄く意地悪なことをしちゃったんだろうか。
「俺には萌音がいるから…。萌音のことが大事だから…。他の人とは付き合えない。ごめん」
「…そう…ですか」
一年生の女の子は、心底残念そうな顔をして。
それから、握っていた李優の手を離した。
「残念です…。凄く…」
「そうか…。…悪かったな」
「佐乱先輩が、どうしてもその人が良いなら…仕方ないです。諦めます…」
「そうしてくれると助かる」
切実。
あと、萌音もそうしてくれると助かる。
だけど、去り際に。
「でも…その人、あんまり佐乱先輩に似つかわしくないと思いますよ」
と、捨て台詞みたいに言った。
「…」
思いもよらぬ不意打ちに、李優は無言で、萌音も無言。
「…それじゃ、失礼します…」
言いたいことを言いたいだけ言って、そそくさと去る女の子。
…やっとどっかに行ってくれた。
「萌音だけの李優…。萌音だけのだもん…」
「分かった、分かったから…。もう離れろって」
「…やだもん」
「…我儘かよ…」
我儘だもん。
だって李優のこと離したら、またあの女の子が戻ってきて取ってっちゃうかもしれないでしょ?
そんなのやだもん。
「はいはい。心配しなくても、俺は何処にも行かないよ」
「…ほんと?萌音を置いてけぼりにしたりしない?」
「こんなに手のかかる恋人を、一人で置いていけるかよ。良い子だから離れてくれ。な?こんなところ人に見られたら困る」
「…」
…渋々。
渋々、萌音は李優から離れた。
おっきな抱き枕みたいで、抱き心地良かったんだけどなぁ。
「ったく、やれやれ…」
「…嫌いになった?萌音のこと…」
「なる訳ないだろ?こんなことくらいで。何年一緒に居ると思ってんだ」
「…」
いっぱい一緒に居るね。
現実でも、夢の中でも…。
いつだって、李優は萌音のことを助けてくれた。
萌音のことだけじゃない。仲間のみんなのことも。
だから萌音は、そんな李優が好き。
萌音にはない優しさを、いっぱい、たくさん持ってるから。
そんな李優に比べて、萌音は…。
「作戦会議するつもりが、すっかりそんな時間なくなっちまったな…」
「…しょぼーん」
「…何落ち込んでんだよ?どうしたんだ。情緒不安定だな今日は」
うん。
「だって…萌音、悪い子だった…」
「…は?」
「また優しく出来なかったよ…」
李優の優しさに比べると、あまりの落差に落ち込んでしまう。
「…一体何のことだよ?」
「李優、萌音って意地悪だと思う?優しくないと思う?」
「…どうしたんだ、一体」
昨日の『処刑場』でも、萌音はみらくちゃんに優しい言葉をかけてあげられなかった。
李優はみらくちゃんを助けようとしてたのに、萌音はみらくちゃんを追い詰めるだけで。
もしかして、また…凄く意地悪なことをしちゃったんだろうか。


