神に選ばれなかった者達 後編

放課後。

李優と萌音は、今夜の作戦会議の為に、今日の部活動をさぼ、

いや、休ませてもらって。

早速話し合おう…と、思ったのだけど。

「よし、萌音。行くか」

「うん」

学生鞄を手に、二人で教室から出ようとした、その時。

「佐乱君、ちょっと」

「え?」

クラスメイトの女の子が一人、李優に声をかけた。

…?

「廊下で、あなたのこと呼んでる人が居るんだけど…」

「…え…」

…誰だろう?

あ、まほろ君かな?

「部活をサボるとは何事だ!」みたいな?

あれ?でも、もしまほろ君なら、李優だけじゃなくて萌音も呼ぶよね?

何で李優だけ…?

李優も萌音も、内心首を傾げていたけれど。

悩むより、行ってみた方が早いよね。

「あぁ…分かった、ありがとう。ごめんな、萌音。ちょっと行ってくる」

「うん」

李優は、一人で廊下に向かった。

…萌音はどうしよう?

もし呼び出したのがまほろ君なら、萌音も一緒に怒られなきゃいけないよね?

よし、ついていってみよう。

萌音は、遅ればせながら李優の後ろを追った…の、だが。

「え…。き、君は…?」

「佐乱先輩…。…どうして、駄目なんですか?」

女の子の震える涙声が聞こえて、萌音は思わず足を止めた。

…誰?

聞いたことのない声。

「どうして私じゃ駄目なんですか…?」

「え、いや、あの…。ごめん、君、誰…?」

「私のこと覚えてないんですかっ…?」

「え」

萌音は、そーっと廊下の様子を伺った。

すると、そこには狼狽えまくる李優と。

それから、涙を滲ませている女の子がいた。

…姿を見ても分からないんだけど。あの子誰だろう?

同級生にあんな子、いたっけ?

分かんないや。

萌音、自分のクラスのクラスメイトも全員把握してないくらいだし。

でも、李優まで知らないってことは、同級生じゃないのかも。

しかし、次の一言で、彼女の正体が分かった。

「あんなに…あんなに勇気を出して、お手紙を書いたのに…」

…お手紙。

あ、もしかして。

李優の下駄箱にラブレターを入れた、一年生の女の子?

…成程、それは知らない訳だ。

同級生の顔と名前さえ覚束ないのに、一年生なんて知ってるはずがない。

「…!あの手紙…。君だったのか…」

「…はい…」

お手紙のやり取りだけで、李優はその子の顔も知らなかったんだよね。

運命の出会い。なんちゃって。