神に選ばれなかった者達 後編

その日の昼休み。

李優は、ルーズリーフを便箋代わりにお手紙の返事を書いて。

例の一年生の女の子の下駄箱に入れに行った。

下駄箱がポスト代わり。

「ふぅ…。入れてきたぞ…」

下駄箱にお手紙を入れに行った李優が、やれやれとばかりに戻ってきた。

「李優、お帰りー」

「あぁ…。…って、萌音。あのな、だから昨日のこと…」

「お昼ご飯、一緒に食べよ」

「あ、うん…」

萌音、李優が戻ってくるまで待ってたんだよ。

萌音は机の上に、お弁当を置いた。

李優も、持ってきたお弁当を机の上に取り出したけど。

…何故だか、浮かない顔だった。

どうしてだろ。お腹空いてないのかな?

萌音はお腹空いてるから、遠慮なく食べるよ。

ぱこっ、とお弁当箱を開ける。

今日のお弁当のおかずは、チキンナゲット。

よくある冷凍食品のナゲットじゃなくて、ママの手作りチキンナゲットだ。

鶏むね肉とお豆腐を混ぜて、ヘルシーに仕上げたママの自信作の一品。

それにマスタードとケチャップをかけて、いただきます。

「もぐもぐ…。…美味しい」

「…そうか。良かったな」

「李優も食べる?」

「いや…。俺は別に良いんだけど」

そっかー。残念だな。

おっと、ご飯にふりかけ、かけなきゃ。

小袋に入ったふりかけ、あるでしょ?あれ。

萌音のお気に入りなんだよ。

「李優、見てー。今日のふりかけ」

「あぁ…うん」

「ゆかりおかかわかめ味なんだよー」

「…ゆかりなのか、おかかなのか、わかめなのかどれなんだ…?」

きっとどれもなんだよ。面白いね。

何だか贅沢な気分。

さささー、っと白米にふりかけをかける。

うん。カラフルで良い色。

「…って、萌音。…それよりも」

「ほぇ?」

「…ほぇ、じゃないんだよ。まずは口の中のものを飲み込みなさい」

「ほぁい」

もぐもぐもぐ。ごっくん。

はい、口の中空っぽになりました。

「食べたよー」

「宜しい。…で、改めて言うけど…。…昨日のこと」

「…昨日?」

…何かあったっけ?

うーん、昨日、昨日…。

「…数学の小テストがあったよ」

「…そのことじゃねーよ」

「あのね、3点だった」

「おい、あれ10点満点だぞ。ちゃんと予習復習しないからだ。ったく…」

…怒られちゃった。

でも3問は正解したから。萌音はそのことを褒めて欲しい。

「あと、そうじゃない。そうじゃなくて…夢の中の話だ。昨日…」

「うん」

「『処刑場』で…一悶着あったから」

そうだね。

珍しいね。李優が、学校で夢の中の世界の話をするの。