『ここだとあんましくつろげないし…上がれば?』

私たちは今玄関先で話している。

お兄ちゃんは特に疲れてるんだからソファーにでも座ってゆっくりくつろいで欲しい。

「いいのか?」

『うん。全然大丈夫だよ。』

「そっか。じゃあ上がるな?」

妙に礼儀正しくなり靴を脱ぎ綺麗に揃えて

「お邪魔しま~す」

と言って上がってきた。

クルッと後ろを向き

真っ直ぐキッチンに向かいながら

『お兄ちゃんはソファーにでも座って待っててよ?』

そう声をかけた。

「ああ。じゃあ、そうさせてもらうわ」

お兄ちゃんの返事を後ろ背に聞きながら

ガチャ

キッチンのドアを開けた

冷蔵庫が一番に視界に入った

『なんかあるかなぁ?』

ボソボソ独り言を呟きながら冷蔵庫を開ける

あっ!!缶ジュースが2つある!!

ちょうどいいじゃん

私は缶ジュースを2つ取り出し

ソファーに座って待ってるお兄ちゃんの元へ向かった

『はい!!』

少しスペースを開けてお兄ちゃんの隣に座り缶ジュースを一本渡す

「おぉ。サンキューな!!」

満面の笑みを浮かべて受け取ると

また私の頭を撫でてくれる。

-キュン-

いつも頭を撫でてくれる。

その度にときめいてる私。

『うん!!』

私もお兄ちゃんに笑いかけて缶ジュースの蓋を開ける

プシュッ

プシュッ

缶ジュースの蓋が2人分開いた音

同時に開いた音

それだけでなんか嬉しくなる。