いきなり涙を流した彩美に

『彩美?』

戸惑いがちに名前を呼ぶと

「梨音…私正直言うとお兄ちゃんに片想いしてる梨音みるのツラいよ!」

と涙をポロポロこぼしながら言った

『彩美…』

私ってバカだね

どうしようもないバカだよ…

自分だけならいいのに…

大切な親友にまでツラい想いさせて…

『ごめんね彩美…彩美にツラい想いさせてるなんて気づかなかった…』

涙を流す彩美にティッシュを箱ごと渡しながら言うと

大きく首を左右に振った

「違うよ!違う!私が勝手に心配してるだけだよ!ただ梨音があまりにも一途に想ってるから…なんか…可哀想に思えてきて…それとは引き替えにお兄ちゃんの方はコロコロ彼女変えてるし…」

ティッシュで涙を拭きながらそう言うと

思いっきりブーンと音を立てて鼻をかんだ

ありがとう彩美

そこまで考えてくれて

私のこと

心配してくれて…

やっぱり彩美は大切な親友だよ