家に着くと大好物・焼き魚のいい匂いがしてきた。


キッチンに立つママは、焼き魚をひっくり返していた。



「ただいまぁー! おっ、今日はサバかぃ? あたし一番でっかいのねぇ」


「あら千夏、おかえりなさい。遅かったじゃない」



「ママちょっと聞いて聞いて! 今日ね、公園でミニライブみたいなのやっちゃったんだよ? 拍手とかすごかったの!」


「へぇー音痴の千夏がねぇ」


ママはまた焼き魚へ目を移した。


「あたし、すごい歌が上手くなったの」


「はいはい」


「ホントだよ? 即興で歌ったり、みんなすごいすごいって言ってたんだもん」


「良かったわね。それより夕御飯にするからテーブル拭いてちょうだい」


「もう~真剣に聞いてるのぉ?」

あたしはキッチンに置いてあるケチャップをマイク代わりにさっきの歌を歌ってやった。

「らららぁーあぁらららららぁーーagj〇t¥p5m%wpあぶぶ」
 


(あれ?あれれ??何で?)