屋上にて、君へ

自分の部屋に入ってあたしが真っ先にすること。


「今日は~ラブベストぉ」

去年の誕生日にパパが買ってくれた(っていうか有無を言わさずプレゼントされた)バカでかいオーディオデッキのスイッチを入れる事。


なんだかんだで結構気に入ってます。

音楽バカなパパが選ぶだけあって、音質も最高だし。


今日はMyu-cAtのラブラブベスト!

あはー、今までこの曲達を聴いてもビンと来なかったけど、今日はなんか違う。



あたし、恋、しちゃってるんだ。




「フフっ、ちぃちゃんなんだか嬉しそう」

シオたんが、数学のノートをテーブルの上に広げながら言った。

「へっ? あはっ、あははは~だってー」

「今日はすごく前進しちゃったね。ちぃちゃんと王子先輩、お似合いだったよぉ」

「まったまたー! もうシオたんこそ……あっ、そういえばシオたんって好きな人とかはいないの?」

あたしがそう言うと、シオたんはわかりやすくも顔面が真っ赤になった。

こりゃ、いるな。100パー。