屋上にて、君へ

「あらどうしたの。そんなに急がなくてもカステラは逃げないわよ」

ママが洗濯カゴを抱えて登場。

「あっ、いつもお世話になってます。ちぃちゃ……山田千夏さんのお友達やってます、しっ汐田と申します!」

シオたんがママに向かってぺこりとお辞儀をする。その様子をみて、慌ててママもお辞儀。


「ちょっとちょっと、三者面談じゃないんだから~シオたんもママもそんなかしこまらなくていいってば」

「ごめん。あたし友達の家に行くと、いつも変に緊張しちゃって」

頬を赤らめて照れてるシオたんの隣でお母さんが「千夏もこのくらい礼儀正しいとねぇ」と愚痴をこぼしていた。


「シオたん二階いこっ」

「うん」


「ママー、後から梨佳も来るから、そしたらカステラお願いしまーす」

「はいはい」