「キミ」
王子があたしがいる方向を見て「キミ」と言う。
あたしは、後ろを振り向く。まさか王子からあたしにお声をかけるなんて有り得ない。
ははっ、絶対にないない。
「キミだよキミ。ショートカットでさっきから口あんぐりさせてるキミ」
……明らかあたしの事ですね。
「は、はいぃ」
あたしは震えあがる声を絞り出し、返事をした。
「キミ、歌は好き?」
王子は真っ直ぐな目であたしを捕らえ、離さない。
「あの……はい、まぁ好きです。でも」
「じゃあ俺、今からギター弾くから、適当に歌ってね」
「へ?」
なんですと?
王子がそう言うと、梨佳もシオたんもツンツン巨人も足パタパタ君も一斉にあたしを見た。
「ちょっと待ってください! あたしそんな……歌えません!」
王子はあたしの言葉に聞く耳持たず、ギターの弦をしゃららんと弾き始めた。
王子があたしがいる方向を見て「キミ」と言う。
あたしは、後ろを振り向く。まさか王子からあたしにお声をかけるなんて有り得ない。
ははっ、絶対にないない。
「キミだよキミ。ショートカットでさっきから口あんぐりさせてるキミ」
……明らかあたしの事ですね。
「は、はいぃ」
あたしは震えあがる声を絞り出し、返事をした。
「キミ、歌は好き?」
王子は真っ直ぐな目であたしを捕らえ、離さない。
「あの……はい、まぁ好きです。でも」
「じゃあ俺、今からギター弾くから、適当に歌ってね」
「へ?」
なんですと?
王子がそう言うと、梨佳もシオたんもツンツン巨人も足パタパタ君も一斉にあたしを見た。
「ちょっと待ってください! あたしそんな……歌えません!」
王子はあたしの言葉に聞く耳持たず、ギターの弦をしゃららんと弾き始めた。


