俺は了承し、計画通り奴の秘書として会社に潜り込むことに成功した。
さぁ、これからだ。
坂崎の下で働くことに不安がなかったわけではない。何かの拍子に直接あいつに報復を……とならない自信はあったが、絶対ではなかった。
だがその不安も杞憂に終わった。俺は役に成りきれるタイプだったらしく、スケジューリングや車の手配などを叱られずにこなした。
──得留くん、そろそろ正式にうちの秘書にならないか?
そう告げられたとき、喜びで涙がこぼれそうになった。これで証拠を探れるかと思うと、今までの努力が全て報われる気がした。
正社員となってからはますます仕事に励んだ。その傍らで証拠を探すのも忘れない。
しかし坂崎は尻尾の先さえ見せない。これはまだ信用されてないのかもな……と悩んでいた頃に、彼女と出会った。
──はじめまして、美節と申します
坂崎の愛娘、美節さんだった。



