与えられた任務は単純かつ、難易度の高いものだった。
──坂崎に近づき、動かぬ証拠をつかめ
俺は俄然、奮起した。今までの人生でこれ以上ないほどモチベーションを上げ集中した。
それでも冷静に調査を進めなければならなかった。坂崎憎しでバレてしまったらお話しにならない。
しかしどうやって近づくか……。
──あいつに近づきたいなら、私に任せてください
坂崎の被害に遭った人たち。
彼ら彼女らに独自に接触していた俺は、そのうちの一人である冬原さんに相談した。
彼女の祖父は坂崎に騙され全財産を失い、精神的に不安定になって老人ホームに入居しているのだと聞いた。自分と被るところもあって、俺はなにくれとなく親身になって接していた。
──あいつはうちの会社の紹介で派遣社員を雇っているんです、それを使います
彼女が提案してきた計画はこうだ。俺は派遣社員の秘書として潜り込み、坂崎の信用を得る。そこから正社員として雇われ、証拠を手に入れる。



