騙すなら墓場まで




 私は各部屋の電気を点けて回る。キッチンやバスルームなど水気の強い場所は省き、隠せそうな場所をあちこち探した。

 観葉植物の裏、シューズボックスの隅、ソファーの隙間……。

 候補はいくつか見つかったけれど、どこが一番良いのか考えても答えを出せない。

 立っているのも疲れるし、ソファーに座ってぼんやり考える。

 絶対バレない隠し場所なんてそもそもあるんだろうか。

 あてがわれている自室に置いておくのがやっぱり安全なんじゃないか。

 クッションを抱えて顔をうずめる。時計の音さえ聞こえない静寂の中で、目蓋が自然に下りてしまうのを止められない。

 少しだけ、十分くらい休もう。

 そう決めて羽織っていたカーディガンを脱ぎ、タオルケット代わりにして横になった。クッションは枕だ。

 空調は二十四時間整っているから、寒くもないし暑くもない。数分も経たずに意識は落ちてしまった。

 落ちる瞬間、どこかで音が聞こえたような気がした。