騙すなら墓場まで




 先生から具体的な日時を聞きながら、私は身体がわずかに軽くなったような気がした。

 二日もあれば伊月さんとどう話すか考えられるし、二日の間に伊月さんが病室に来て話し合えるかもしれない。


「……それにしても、優しい旦那さんですね」

「え?」


 突然の褒め言葉に、私は間の抜けた声で返してしまった。


「三日間、つきっきりで看病なさっていたんですよ」


 正恵さんにとんでもない真実を告げられて、一瞬だけ思考が止まる。


「あたしが代わりますって言っても全然聞いてくれなくて、仕事はどうしたんですかって怒ったら有給を使ったって言うじゃないですか。もうびっくりして……」


 正恵さんのおしゃべりに梅野先生が目を丸くした。私は見ていられなくなって上体を無理に動かし前のめりになった。


「うっ……!」

「奥様!?」

「得留さん、どうされました?」

「背中の打撲はどんな感じか教えてもらいたくて……」


 私は二人から「後にしましょう」と寝かしつけられた。