看護師さんが一礼して入ってくると、カルテを片手にいくつか質問をされた。
「それでは、先生から説明がございますのでしばらくお待ちください」
こちらを安心させるためか、微笑みながら告げられて面映い気持ちになる。看護師さんはまた一礼して部屋を出ると、正恵さんがコップに水を注いでくれた。
ストローを使い少しずつ飲むと、心なしかすっきりしたような感覚がする。プラセボ効果というものに近いのかもしれない。
「ありがとう、もう大丈夫」
「では冷蔵庫に入れておきましょうか」
私がお願いすると、正恵さんは備え付けの冷蔵庫を開けながら口を開いた。
「奥様、今さら差し出がましい真似をいたしますが……一度、旦那様とは場を設けて話すべきではありませんか?」
「それは……伊月さんの時間があるときに」
正恵さんは私の尻込みに首を横に振った。
「問答無用で作らせるべきです」
「正恵さん……」



