少女と過保護ーズ!!続

聖side


トントン。

優しく肩を叩かれる。

僕にこんなことが出来るのはただ一人。


振り返れば、心配そうに月子がこっちを見てた。


『どうかした?』


スケッチブックに書かれる言葉。

月子の声が出なくなったのは……僕と出逢ってから。

何件もの病院に行ったが、みな"心理的"なのだと……何かのキッカケで戻るかもしれないと言うだけだった。

未だに戻らない月子の声。

暗い顔をしてはダメだ。

また月子の負担になる。


「どうかした?とは?」

『すごく、渋っっい顔してる』


眉間にシワを寄せる月子。

僕の真似をしてるんだろうけど、迫力が全くない。


「ふふ」


その迫力のなさに笑えば、ホッとしたように月子も笑う。


「青木がこのような物を持ってきました」

『青木さん!?』


月子の目が輝く。

青木に出会ったのはもう何週間も前。

"黒豹"の"姫"が無事に助けられたことは伝わっている。

月子もそれはそれは自分のことのように喜んだ。


"姫"に"チビネ"ちゃんに会える。


そう楽しみにしてた月子だったが、何週間も連絡もない。

その表情はドンドン曇っていった。


あの野郎。

ブッ飛ばしに行こうか、なんて考えてたら、この謎の紙……。


『クリスマスパーティ!?』

「1月にクリスマスパーティ……。というか、なんなんですか、この文章」


所存、果たすべく、良かろうやら、青木は何時代の人間だ?

しかも平仮名ばっかりの、招待状にいたっては、招待上になってるし……。


『ふふ。スケッチブックがスケッチフックになってるし。面白い人だよね、青木さんって』


コロコロ笑う月子。

面白い?

ただのバカだと思うんだが……。


(((((その通り‼)))))


ん?

なんか、声が?


『行きたいですか?月子』


確か、ここに連れて来るって話だったが、まぁ月子が行きたいなら何処へでも。


『行きたい‼』


即答。


『あっ……でも』


シュン……と項垂れる。

全く。


自分が行って、空気を悪くさせるんじゃないかとか考えてるんだろう。


「心配いりません。僕が側に居ますよ」



安心させるために手を握ると、ギュッと握り返してきた。


『聖。いつもありがとう』


泣き笑いで礼を言ってくる。

その表情に僕はいつも惚れなおすのだ。


「ありがとう。も良いですが、大好きの方が嬉しいですね」


少し意地悪く言うと、真っ赤になる。

可愛い。


『うっっ。それはまた……今度……ね』

「ええー」


まっ、いいでしょう。

今度じっくり。

ダダダーーっと皆に報告に行く月子を見送りながら、思うことはただ1つ。


どうか……"黒豹"の"姫"が"チビネ"が僕の


僕の

月子と仲良くしてくれますようにーー。