少女と過保護ーズ!!続

「ハイハイ、泣かない泣かない」

「んむっ」


そんなチビの涙をキスで吸いとる八雲。

くっ!?

なんだ、ソレ!?

めっさ、エロくて仲良さげだな‼


「よしっ‼」


俺も‼


「何が、よしっ‼だ。ハイネに近づくんじゃねぇ」

「ひゃんだよっ!?へへひゃろうが!ひゃそけやろ!?」


ギリギリギリギリギリギリ……


「いひゃゃゃゃゃゃゃゃっっ!?」


チビにチューしようと顔を近づけたら、八雲に顔面を掴まれた。

そのまま力を入れてくるもんだから、痛い痛いっっ‼

コイツ……加減ってもんを知らんのかっっ‼


「チューくらいいいだろうがっ‼」

「ふざけんな。ハイネにチューしていいのは俺だけだ‼」

「いやいやいや、兄である俺にも……」

「二人とも……??」

「へいっ‼」

「すみません」


もう1人の兄、怒る。

双子でも兄は兄。

麻也もやっぱりチビの不機嫌が気になるらしい。

麻也にめっさ冷たい目で見られ、八雲と二人静かにする。


消毒も済んで、頬に湿布を貼られたハイネがその頬を膨らませたまま喋り出す。

リスみたいだな……ん?ハムスター??

小動物みたいで可愛いな。

てか、蓮……。

またカメラか……ハイネにまた絶交されるぞ。


「あの人……仲間を……家族を捨て駒だって……自分を守る盾だって……言った」


悔しげに、本当に悔しげに言うチビ。

そうか……。

お前は不機嫌なんじゃなくて、怒ってたのか。


"黒豹"は仲間であり、家族。

チビが"黒豹"に入る時、俺はそう言った。

だからチビにとって"黒豹"はもう1つの家族。

大切にしてくれてるからこそ、チビには"グール"の姫が言ったことが理解出来ずにいるのだ。

家族を捨て駒だと、盾だと言う姫に怒りを覚えているのだ。

この俺らの優しい姫は。


「家族を犯罪者にするなんて……」

「チビ」

「盾にするなんて……」

「ハイネ……」

「絶対に赦さないっっ‼」


真っ直ぐ前を見て言うチビ……いや、ハイネ。

それで、ビンタの連打か。

納得。


「家族は守るもんでしょ?あたしは皆を守りたいよ……」

「ハイネ……」

「「チビ姫ーー‼」」

「「「「‼??」」」」


いつの間にか静かになっていた車庫に雄叫びが上がり……


「のぉあ‼??」


チビが皆に担ぎ上げられた。

そのまま胴上げされてる。

たくさんの笑顔と泣き笑いの皆に。

話を聞いてたな、コイツら。


「高っ高っっ‼あはははははははは‼」


朗らかな笑い声が車庫に響く。

幸せの空間。


「ハイネは俺らのために立派に戦ったよ。何度叩かれても、引っ掻かれても。ただひたすらに」


それを優しい表情で見てた八雲が言う。


「俺らの姫がチビネで本当に良かった」


蓮がカメラを構えたまま。


「だな」


満足そうに桂。


「最強の姫だね」


これまた嬉しげに麻也。


「ああ」


最強で最高に可愛い俺らの家族だ。


「が、アイツらいつまでハイネに触って……触っ……」


バターーーーン‼


「八雲‼??」

「え‼??」

「おい‼??」

「やっくん‼??」


八雲がなんの前触れもなく倒れた‼


「八雲さん‼??」