少女と過保護ーズ!!続

「わかっ・・・わかりました‼行きます‼行きますから、ちゃんと寝てて‼」

「ん」


ポンポンとまたベッドを叩く。


「もー、知りませんよ。明日身体のあちこちが痛くなっても」

「ハイネを抱きしめて寝れるなら、そんなのはどうってことないわ」

「もう‼」

「ほら早く」


楽しそうに笑う八雲さん。

本当にもう知らないんだからね!?

心配かけたくないから、足を引きずらないように慎重に歩く。

すぐそこまで来たところで、腕を引っ張られベッドに寝かされると、点滴をしてない方の手が首に点滴をしてる方の手が腰に回り、ぎゅうううううっと抱きしめられる。


「ハイネだ・・・」

「八雲さん・・・」

「お前が拐われて俺は・・・生きた心地がしなかった・・・」

「ごめんなさい・・・」


八雲さんの胸から顔を上げて彼を見れば、いつもはない髭に痩けた頬・・・。

どれだけ心配をかけたのか一目瞭然だった。

あたしも八雲さんの背中に手を回し隙間がないくらい抱きしめ合う。


ドックンッッ。

ドックンッッ。

耳を打つ心臓の音。

八雲さんの生きてる証。

あたしには熱すぎるほどの体温を宿す身体。


ああ。

八雲さんだ。

あたし本当に"ここ"へ・・・八雲さんの元へ帰ってこれたんだ。

八雲さんの腕の中で幸せを噛み締める。


・・・・・・・・って‼


「匂い嗅いじゃダメッッ‼‼」


首元に顔を埋めスンスンとあたしの匂いを嗅ぐ八雲さん。

お風呂入ってないんだってばぁぁぁぁぁ‼‼

目覚めて少ししてから、凛さんに身体は拭いてもらったけど‼


「なんで??良い匂い。甘く美味しそうなハイネの香り」


甘くて美味しそうな‼??

どんな香り、それっっ‼??

もぉっっ!


「じゃあ、あたしも嗅ぎますよ‼??」

「それはダメだ」

「なんで‼??」

「風呂入ってねぇから」


いやいやいやいやいやいや‼‼

それはあたしもだってば‼‼


「だから、それはあたしも・・・」

「ハイネはいいの」

「もぉっ‼‼変態八雲さんめっっ」


今度はあたしが頬を膨らませれば、甘く甘ーく笑われ耳元で囁かれた。


「お前のことになると・・・・な」

「う"う"~~っ」


あたしは絶対にこの人には勝てない。

そんな言い合いをしてるのに離れることのないあたし達。

どちらともなく笑いが溢れる。


「ハイネ。おかえり」

「ただいま。八雲さん」


ソッと近付いてくる八雲さんにあたしはゆっくり目を閉じた。