少女と過保護ーズ!!続

月が空高く昇った頃あたしは1人になった。

完全看護のこの病院はお泊まり看護は出来ずに、皆渋々帰っていった。

あの後、正気に戻ったあたしは笑った。

笑えた。

でも皆にはそれが嘘に見えたんだろうか。

心配そうに気遣うようにずっと見られてた。

気を使われて、話の内容も聞かれなかった。

皆ただ側に居てくれて楽しい話や笑える話なんかをしてくれた。

桂との約束のプリンも食べた。

大好きなプリンなのに・・・・味が全くわからなかった。


「・・・・八雲さん」


ベッドから抜け出して、未だに眠ったままの八雲さんの元へ。

大怪我したとは思えないほど、安らかな寝顔。


「八・・・雲さん」


早く・・・・目を開けて・・・

ハイネって呼んで・・・

布団を少し捲って八雲さんの手に触れる。


温かい。

もっと触れたくて、その手を布団から出し、体温が逃げないように両手でギュッと包むように握り、自分のオデコをそこに持っていく。


「・・・ふぅっ・・・・」


あたしはなんでこんなに醜いんだろう。

あんなに必死で謝ってる伯母さんをどうしても許すことが出来ない。

優さんめた美優もあの頃も・・・・許せない。


「うっ・・・・」



歯をくいしばって我慢しても嗚咽が漏れる。


「起き・・・・て。八雲さ・・・」


起きて笑って。

そしたらまたちゃんとあたしも笑うから。

伯母さん達も許して・・・。

また"黒豹"の皆で・・・楽し・・・く


「ふっぁっ・・・」


泣くのを我慢するのにきつく八雲さんの手を握りしめてしまう。


「ああ‼ごめんなさ・・・…」


ピクッ‼


「っっ‼??」


今っっ‼

手がっっ‼


「八雲さん‼??」

「ひ・・・とり・・・泣・・・・な・・・」

「え‼??」


あたしは閉じてた瞼をかっ開いて八雲さんの顔を覗き込む。

酸素マスクの下で口が動いてるんだけど、何を言ってるのかは聞き取れない。


「八雲さん‼‼」


ガラッ‼‼

‼??


「どうした‼??チビ‼」

「チビネ‼??」

「チビ助‼八雲がなんだって‼??」

「ハイネ‼やっくん‼」

「ハッ‼??あっ‼??えっ‼??」


突然のことになんの反応も出来ない。

何故か皆が酷く焦った顔で病室に入ってきた。

帰ったんじゃ・・・・


キュ・・・


弱々しい力で・・・でも確かに手を握り返してくれた‼


「「「八雲‼「やっくん‼」「八雲さん‼」


あたし達は皆一斉に八雲さんを呼んだ。


すると・・・


ようやく、ようやく、ゆっくりとではあるけど八雲さんが目を開けたーー。